去年の反省
去年の春はジーンバンクから小石丸と琉球多蚕繭の種を取り寄せて育てていたのですが、交尾させてとった種は保管に失敗してだめにしてしまいました。どちらも一化性といって一年に一度しか孵化しない品種です。それを春にやったものだから、種(卵のこと)を冷蔵庫で1年近く保管しなきゃならず、乾燥してしまったようで全部死んでしまいました。せっかくの原品種だったのに…うっうっ…
実験的に冷蔵庫に入れずに保管した卵もあったのですけど、まだ餌のない1〜2月に孵化してしまったので処分せざるをえませんでした。ああもったいないことをした。人工飼料が簡単に買えたら種をとる分くらいは育てられたんですけどね。
今後の課題は卵の保存ですね…去年の経験でいうと、一化性の品種は、常温で放置しておいても早春まで孵化しなかったので、秋まで常温保存したほうが無難なのかもしれません。
今年のお蚕は 春嶺 x 鐘月
まあ、それはまた一化性の品種をどこかでゆずって貰えた時に検討するとして、今年はとある場所から「春嶺 x 鐘月」という交配品種をいただいてきました。昭和の時代に春蚕(はるご、春に育てる蚕)として普及してた品種らしいです。
とある、なんて、出所をぼかさなくてもいいとは思うんですが、ほんとは教育関係者に配布するものだったみたいなので一応。問い合わせたら「個人でもいいですよ」とは言ってたけど、常に大丈夫とはいいきれないから伏せてみました。もとは上田市?の蚕種店から仕入れたものだとか言ってました(資料読めわたし)。
昨日からちらほら孵化が始まり、今朝になって残りも一斉に出てきました。掃き立てが今日になるように処理してあると聞いてたけど、ほんとにバッチリでした。すごい。数はたぶん一蛾分なので200頭くらいかなあ。
孵化したばかりの蚕はこんな大きさ。黒くて毛が生えてるので毛蚕(けご)と呼ばれたり、小さくて黒いので蟻蚕(ぎさん)と呼ばれたりするみたい。
掃き立て(はきたて)というのは、孵化した蚕に最初の餌をやることなんですが、鳥の羽などで餌の上にそーっと掃いて落とすのでそういう言い方をするみたい。わたしは餌のほうを蚕にのっけてやる方式でやってます。
餌は桑の葉です。毛蚕は小さいので、先のほうの若い葉を刻んで与えます。刻まなくても食べますけど(やったことがある)、刻んで与えた方が食いつきがいいんじゃないでしょうか。葉を刻むのに使う道具は消毒用のアルコールで拭いてから使います。
上の写真から5分後です。ちらばっていたお蚕が葉っぱに集まってるのがわかるでしょうか。わたしはこうなってから蚕座に移すことにしてます。蚕座というのは、お蚕を飼う場所のことです。目のあらいザルの上に紙をのせたものです。養蚕農家には竹で編んだ専用の道具があるんですが、わたしは毎年ありもので適当にやってます。今年はダイソーで樹脂製の目のあらいかごを沢山買ってきました。
毛蚕のうちは湿気を保ったほうがいいそうです。何かで覆って乾燥をふせぎます。ビニールをかぶせるとか、タッパーを伏せておくとかでいいような気がします、というか毎年ありもので適当にやってます。適当といっても道具はきれいに洗って乾かしておく必要があります。消毒用アルコールでふいておけばなお安心です。
# 大昔のことですが祖母が養蚕農家でした。わたしは幼児の頃に見様見まねで覚えた自己流でただの趣味です。
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