お蚕にかぎったことではないですが、芋虫は脱皮の前に何も食べなくなり、動かなくなります。そういう状態を、養蚕用語で眠(みん)とか眠りとか休みとかいいます。
何百匹もいるお蚕が一斉に眠るかというとそうでもなく、まだ食べたそうにしているのもいるんですが、ここで餌やりをやめて脱皮を待つと、成長をそろえることができるみたいですよ。
じゃあ、どのくらいの蚕が眠に入ったら餌を止めるのか、またどのくらいの蚕が脱皮を済ませたら餌やりを始めるのかっていう話になりますが、これは昔から思案のしどころだったみたい。
きっと、農業として長年飼育している人には、経験に基づくノウハウがあるのでしょうが、わたしはそこまでの域に達していないので、いつもなんとなくやってます。
三度目の脱皮を済ませると、この先は信じられないスピードでむくむく大きくなるはずです。ここいらが潮時。うちの飼育スペースで全部飼うのは無理なので、一部をカエルにやることにしました。
ほんとは「これっぽっちの卵から、こんなに沢山の繭ができました」っていう感じでやりたいんですが仕方ありません。お蚕は、繭を作るのにものすごいエネルギーを使うみたいなんです。餌が不足するといつまでたっても繭を作らないことがあります。お蚕は自然にはいない生き物です。絹になるために生まれてきたようなものなんです。数を減らしてでも立派な繭にしてやらないとね。
ちなみにこのカエルは近所の公園でとってきた卵から育てたアズマヒキガエルの雌です。お蚕は桑を沢山食べるので、たぶんビタミンCが豊富で、カロリーもそれなりにありそうな気がします。両生類や爬虫類にはいい栄養になりそうです。
ただ、餌にするならせいぜい四齢蚕までだろうと思います。五齢蚕は絹糸腺が発達するので、体内のほとんどが絹の素なんじゃないかと思うのです。カエルやトカゲになった経験がないのでよくわからないんですが、絹糸腺って、美味しいのかな。消化できない可能性もありますよね… などと勝手に想像してます。勝手な想像なので、カエルに言わせると「大丈夫だからそのでっかいのよこしなさいよ」と言う可能性もありますが(笑)
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