前回は蛹から成虫が出てきて交尾してるよってところで終わったんでしたよね。あれからもう、次から次へと羽化して交尾しまくって、卵を産んで……そのあとカエルの口に消えていきました。お蚕は成虫になったら、交尾して産卵して、それで終わりです。蛾の姿で生きられるのは、せいぜい十日か二週間くらいかなと思います。
孵化させたのは一部のみで、ほとんどの繭は冷凍庫で利用されるのを待っています、せっかくだから糸を引く作業を(わたしのはまね事ですが)お見せしたいなあと思うんですけど、その前に部屋の片づけをしないと動画撮影もままなりません。片づけたところで部屋が狭いので、どこを背景にして写そうか考えてるうちに時間がたちそうな気はするんですが、それでもまず片づけないと…
そうこうしているうちに猛暑日が続くような季節になり、昼間は部屋にいられない状態です。あれもこれもやりたい、やらなきゃ、でも暑い、頭が回らない、だけどあれもこれもやりたい、やらなきゃ…っていうのを何度もリピートしないと立ち上がれないような毎日ですよ。
ああ、そうそう、うちは震災以来エアコンを使っていません。扇風機だけ。暑くてどうしょもない時は一日乗車券でバスを乗り回して本を読んだり、プラネタリウムを見に行ったり、無線LANや電源のある店でブログの更新をしたり、そんなこんなでやりすごしています。
今回は軽く(ってここまで来るのにどうでもいい長文を書いておいて軽くって何それ!?)成虫の写真を貼っておきますね。
一般に「蝶は好きだけど、蛾は嫌い」という人が多いです。毛っぽいところが気持ち悪いとか、腹が太いのが嫌だとか、いろいろ理由はあるんだと思います。ところがこうやって正面から接写すると虫に見えないらしく、毛が生えてるのもモコモコ感に転換されて「なんだこのかわいい獣は」って思う人もいるみたい。そういえば大きな耳(触角です)もあるしね? でも、これは蛾です。蛾なのにかわいいんじゃなくて、蛾はかわいいんです。みんな、現実を直視するんだ。自分の気持ちに正直になれ、蛾はかわいい。特にお蚕はすごくかわいいっ!!
お蚕は、幼虫の頃はオスメスの見分けが付きませんが、蛹や成虫ならば見分けがつきます。
成虫の場合、腹が太いのがメス、細いのがオスです。また、オスは近くにメスがいると、翅をバタバタ言わせながらせわしく歩き回ります。メスはほとんど動かず、尻をあげてじっとしています。メスの尻にはフェロモンを出す黄色い袋がついています。袋は出し入れできるので、出てないこともありますが、しばらく見ていると出てくるはずですよ。
フェロモンはオスを呼び寄せる匂いです。人間の鼻ではほとんど感じないくらいの匂いですが、今回は一度にけっこうな数が羽化したせいか、甘くすえたような香りがふわーっと漂ってました。これが大人の香りというものか…!
▲左右にある半透明な黄色い袋がフェロモン腺(誘引腺)です。真ん中の毛がはえてるところは産卵管です。
卵の写真や、交尾動画も用意してあるんですが、動画の編集は少しも楽しくないのでまたいずれ。動画に関してはやりはじめると発作が出るんですよ。「21世紀はどこにあるんだよ」「MacOSがマルチメディアに強いとか誰がそんなウソ八百を」「昔のほうがまだマシだったわボケェ!!」「Apple?アメリカに帰ってよし」などなど、一日中ずーーーーーーーっと愚痴りつづけなければいけないので、体力と精神力を蓄えてから挑む必要があります。
【お蚕関連・やることリスト】 ・蛹のオスメスの見分け方を説明する ・卵の話(休眠卵とそうでないやつ) ・交尾等動画の整理 ・真綿の作り方を紹介 ・糸をつむぐ方法を紹介(座繰り|真綿からずり出し) ・作った糸や、真綿や、繭の利用法を考えるカテゴリー:
ららむ~さん、初めまして。えみぃと申します。
幼少期祖父母が養蚕をしていた&芋虫が大好きだったので、蚕さんを飼いたいとずっと思っていて、今年初めて飼ってみました。
なにしろ幼少期だったので記憶があいまいで、飼育について調べているうちにららむ~さんのブログにたどり着き、むさぼり読みました。大変参考になりました。
ありがとうございます。
いきなり1蛾(っていうんですね)の卵を入手してしまい、とまどうところもあったのですが、蚕さんとの毎日はとてもとても楽しくて。
今は上族の終盤。ちょっと気が抜けてしまいました。そして、病気の蚕さんもけっこう出してしまいました。
でもでも、これからも続けていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
こんにちは。
1蛾のほか1腹とかも言うみたいですね。
地方によっては江戸時代から養蚕してたでしょうから、
養蚕用語にも地方差があったりするみたいです。
ブログ拝見しました。
畑に立派な桑の木があるんですね。うらやましいです。
22日付けでもうすぐ糸を吐くとおっしゃってるので、みんな繭になってる頃でしょうか。
5齢のお蚕は、湿気に弱いみたいで、ひとつのザルに沢山入れて買うと
どうしても病気になってしまうようです。
わたしも何度か盛大に死なせてしまいました。
でも、何事も経験、失敗しなければわからないこともあるだろうと、思うことにしてます。
これからもよろしくお願いします!
ありがとうござます。
24日から上族を始めたのですが、今現在17匹の幼虫がいます。
そろそろかなーという子が7匹、残りはかなり小さくて桑を食べる様子もなく。。
病気でしょうか。
まぶしには入っていますが、糸を吐いていない子も10匹ほどいます。
このまま縮んでしまうのかなーと、こんなに病気が出てしまうと思わなかったので、正直ショックです。
前半は楽しいことばかりだったのですが、後半になってむずかしさを痛感しています。(農家の方が辞めるわけです)
でもなんとか、腕を磨いていきたいと思っています。
これからも、いろいろ教えてください。
よろしくお願いします。
うーん、それは一見大丈夫そうなお蚕も何かに感染してるかもしれないですね。
繭になったお蚕も、繭の中で死んでる可能性があります。
病気は、発生してしまうとどうしようもないので、
異常のあるお蚕を隔離して、残ったお蚕も頻繁に糞を片づけて、
蚕座紙を頻繁に取り換えるとかして、清潔に乾かして様子を見るしかないです。
えみぃさんのところはもう上蔟してるみたいなので、
ほんとに様子を見るしかないですね。
こういう経験をすると、養蚕って大変だなって思いますけど、
ちょっと前の女の人みたいに、家の仕事と子育てに明け暮れる生活だと、
その合間にお蚕の世話をして現金収入を得られるのは、
けっこういい気晴らしだったかもしれないです。
世話のうまい女性は尊敬されたみたいですしねー。
ららむ~さん、ありがとうございます。
今日、最初に糸を吐いた子たち分を繭かきしました。
一部繭を開けて確認しましたが、無事さなぎになっていました。
後半の子たちはこれからで気が重いですが、なんとか乗り切りたいと思います。
かわいがっていただけに、病気の子を見るのがつらいです。
そして、ららむ~さんのやり方を真似て繭を冷凍しましたが、この作業がとてもつらかったです。
家畜と割り切らなければと思えば思うほど、悲しくなってしまいます。
繭を作るまではるん♪という感じだったのですが、繭かきがこんなに悲しい作業になるとは思いもよりませんでした。
でも、養蚕は続けていきたいと思っています。
アドヴァイス、ありがとうございました。感謝します。
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