豊田市三軒屋公園(秋葉神社の前)でサクラが花盛りでした。これだけびっしり咲くのは狂い咲きとか返り咲きとかではなく、冬に咲く種類のサクラなんだと思います。
春の花というイメージが強いサクラですが、実は秋から冬にかけて花開くものが何種類かあります。
今日みつけたサクラは何ザクラでしょう。東京で最近よく見るようになったジュウガツザクラとは花や萼筒の形が違うし、フユザクラに似てるような気もするけど萼が赤くないので違うような気もするし。
三軒屋の北西にある浄覚寺というお寺にも同じ種類とおぼしき桜が満開でした。
「豊田市、冬の桜」などで検索してみると、小原という地区がシキザクラの名所だそうです。ただ、シキザクラは萼筒が細い鐘形だそうで(ソース>このはやさくや図鑑)、三軒屋公園に咲いていたのは萼筒が短くて太めでした。
12/14追記
豊田市駅の西側の線路沿いを北に向かって歩いたところ、若宮八幡社の手前でも冬の桜をみつけました。木の下にコアラの親子の像があります。桜の種類は三軒屋にあるのと同じみたい。
花柄は短く緑色、萼筒は短めの太めでやや赤みをおびる。萼は緑色。花は白の一重咲き。
冬の桜は真冬に満開になったあと、春にもう一度咲くはずです。冬の花と、春の花で少し特徴が変わる場合もあるそうなので、春にもう一度見たい。あと、小原地区ってところに沢山あるっていう四季桜と同じものなのかも気になりすぎるー。
12/15追記
東名の豊田インター近くの農地にて。なぜかここのは花が終わりかけだった。種類は三軒屋のと同じだと思う。
豊田市北部の小原地区というところに、川見四季桜(せんみしきざくら)という冬の桜があると聞いて見に行きました。この桜は文政年間(1800年代の前半)に藤本玄碩という医師が名古屋方面から苗を買い求めて増やしたものだそうです>小原観光協会公式サイトへ。この土地では「四季桜」または「川見四季桜」と呼ばれており、花の季節は秋〜冬と春の2回。
すでにピークは過ぎていましたが、まだ咲いてる木もありました。このような木が小原地区のあちこちに植えられており、満開になるとさぞ見事だろうなと思います。とくに秋〜冬は紅葉と桜の満開が同時に発生するという不思議な景色になるそうです。
小原地区の桜も、花は白く、花柄が短く、萼筒が短めでやや赤く、萼が緑色で、豊田市の市街地のあちこちに植えられている冬の桜と同じ特徴でした。
花のほとんどは白いのですが、このように一部が赤みをおびることもあります。この特徴も市街地に植えられてる冬の桜と同じです。
というわけで、この記事に貼った桜の写真は「川見四季桜」であることがわかりました。
現在よくわかっていないのは、シキザクラ(四季桜)という栽培品種と、川見四季桜が同じ品種かどうかってことです。小原観光協会の公式サイトには「マメザクラ×エドヒガンの種間雑種と考えられ」とシキザクラの説明が書かれていますが、まあそれはそれとして(誰がどんな方法で同定したかもわかんないわけだし)、春にもう一度見て、一般に言われているシキザクラの特徴と一致するか見たい気がしています。その時期に豊田に来るチャンスがあるかどうかは別ですが。
秋・冬にも花が咲くサクラの品種はいくつかあります。ジュウガツザクラ、ヒマラヤザクラ、フユザクラ、コブクザクラ、シキザクラなど。それぞれ別の特徴を持っている別の品種の桜です。
ところが「冬に咲くから冬桜」「一年に何度も咲くから四季桜」と通称で呼ばれてしまい、品種名と混同されてることがあります。
【追記】 2017年1月9日
東京に帰って桜の図鑑を読んでみると、以下のような記述がありました。
四季桜
花弁数:5枚
花径:2.2〜2.3cm
(略)毎年返り咲きをするサクラの中で ‘小彼岸’ に似て一重咲きで、くびれたつぼ形の萼筒を持つものを ‘四季桜’ として分類する。(略)場所によって呼び名が違うことがある。例えば茨城県水戸市の偕楽園にある「二期咲桜」は ‘四季桜’ に分類される。このように、さまざまな名前が付けられており、混乱を生じていることがある。
萼筒はくびれが少ないつぼ形で小花柄に毛がある。
以上、Gakken『増補改訂フィールドベスト図鑑 日本の桜』より引用しました。
その「二期咲桜(四季桜という品種に分類される)」ですが、実は彦根城にあるのを偶然見ました。昭和47年に水戸市から寄贈された二期咲桜であると札が立っていたので、間違いなく偕楽園から来たものでしょう。
▲彦根城の二期咲桜(水戸市から寄贈されたもの)。2016年12月下旬撮影。クリックで少し大きい写真が見られます。萼筒がつぼ形で、川見四季桜にくらべると萼が長く反り返っています。
図鑑の著者が「偕楽園のは二期咲桜は四季桜」だと明言しているので間違いないのでしょうが、これも四季桜なんですか。うむむ。これは比較のためにどうしても必要なので、図鑑の写真を引用せざるをえませんね。
▲Gakken『増補改訂フィールドベスト図鑑 日本の桜』より引用。二期咲桜にくらべると萼筒が細身で萼まで真っ赤。萼も短いです。だいぶ違うものに見えるんですが、同じ四季桜ってことになるんですか。ということは、川見四季桜も名前のとおり四季桜ってことで正解なのかなあ(良くわかんないけどね)。
だんだん話が大事になってまいりました。東京でよく見る十月桜とだいぶちがうけど品種はなんだろうって思っただけです(笑)冬と春で違う花が咲く可能性も否定できないので、やっぱり春も見てみたいですね。
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