買い物カゴで茸狩り

スーパーマーケットで買える茸のいろいろ

 2002年秋くらいからお店で買える茸の写真をとりはじめました。まだ地味に記録してる段階なのでろくなこと書いてないです。うちの他にもスーパーで買える茸の考察をしているサイトがありますので、ぜひ探してみてください。

 本文中の学名は、あくまで目安というか、調べものの「手がかり」としてご利用ください。というのは、キノコは資料によって違うことが書いてあったりして、一般的な分類がどうなってるのかよくわからないのです。



 

エノキダケ
エリンギ

シイタケ
シメジ

 

ナメコ

ヤナギマツタケ
ヤマブシタケ



-◇◆◇-
シメジ
和名 シメジ
漢字 占地

商品名
 ほんしめじ
 ぶなしめじ
 やまびこしめじ
 ひらたけしめじ…など

学名
キシメジ科シメジ属
 ホンシメジ
 Lyophyllum shimeji

キシメジ科シメジ属
 シャカシメジ
 Lyophyllum fumosum

キシメジ科シロタモギタケ属
 ブナシメジ
 (しろたもぎたけ)
 Hypsizigus marmoreus

ヒラタケ科ヒラタケ属
 ヒラタケ
 (ひらたけしめじ)
 Pleurotus ostreatus

 シメジと呼ばれるものは一種類ではないのであります。野生種でホンシメジとか大黒シメジとか呼ばれているのはキシメジ科の Lyophyllum shimeji だし、ブナシメジと言われてるのはシロタモギタケ Hypsizigus marmoreus である。

 そもそもシメジの人工栽培が始まったのはここ十年くらいのことではないかと思う。それまでは若いヒラタケをシメジという名前で売っていた。しかし、ヒラタケとシメジはかなり違うものなのでごっちゃにすべきではないと思う。

 最近になってシメジの仲間も人工栽培できるようになったが、いわゆるホンシメジ(大黒シメジ)は今でも栽培できず野生のものしかないらしい。
 お店でホンシメジ、ヤマビコシメジという名前で売られているのは、ほとんどの場合キシメジ科のシロタモギタケのことだという。

 じゃあ、シロタモギタケ=ブナシメジなのかというと、この二種を同属別種とする研究もあって、何がどうなんだかもうチンプンカンプンです。専門知識もなしに茸の記録なんかはじめたわたくしがバカでございました。

 なにはともあれ、お店で売ってるやつは「ホンシメジ」って書いてあってもホンシメジではないんだそうですよ。わけわかんないでしょ?

言葉
「香り松茸 味しめじ」

TOP

 
-◇◆◇-
エリンギ
商品名
 エリンギ
 あわびたけ
 しろあわびたけ
 かおりひらたけ
 はくほうたけ(白鳳茸)
 みやましめじ…など

中名 杏鮑菇

フランス語
 blanc du pays

学名
ヒラタケ科ヒラタケ属
 Pleurotus eryngii

 ヒラタケと同じくヒラタケ科ヒラタケ属のキノコ。原産地はヨーロッパ。正式な和名はよくわからない。

 太い軸を食用にする。そういう意味ではマツタケと食べ方は似ているが、マツタケとは関係ない。ナントカ松茸という商品名で売られていたこともあるような気がするけれど、最近は「エリンギ」で統一されたようだ。エリンギというのは学名の二語目(小種名)を片仮名表記したのも。エリンギーとも。

 食感がアワビに似ているというのでアワビタケとも言う。(写真

TOP

-◇◆◇-
シイタケ
和名 シイタケ
漢字 椎茸

学名
キシメジ科シイタケ属
 Lentinula edodes
ヒラタケ科シイタケ属
 Lentinus Edodes

 これらは同じものだが途中で分類が変わったらしい。新しいのはキシメジ科のほう。

 シイタケにも何種類かあるらしい。日本でよく見る生シイタケは肉が薄くて笠が開いている。最近では中国産の肉厚で笠がひび割れたシイタケをよく見かける。日本でも肉厚の品種を栽培しているが値段が高く、中国産の二倍くらい。

 肉厚でひび割れたのを「どんこ」といい、肉薄で笠の開いたのは「香信」というが、もしかすると干し椎茸にした時のみの呼び名かもしれない。

 どんこには、普通のどんこの他に天白どんこという白っぽい種類もある。

TOP

-◇◆◇-
ナメコ
和名 ナメコ
漢字 滑子
地方名
 ぬいど
 なめらっこ
 ぬらぼこ…など

学名
モエギタケ科スギタケ属
 Pholiota nameko

 お店でよく見かけるナメコは笠が開いておらず、小さくて丸くてヌメリがあって、石づきを切り取って袋詰めにしてあるが、最近ではかぶなめこのように株のままで出荷する場合もあるようだ(微妙に違う品種なのかもしれない)。
 野生のナメコは育つと笠が開いて別の茸みたいになるらしい。

TOP

-◇◆◇-
エノキダケ
和名 エノキダケ
漢字 榎茸
中名 金針菇
学名 Flammulina velutipes
 昔から市販されているエノキダケ(白エノキ)は白くて軸が細長いが、最近ではブラウンえのきかきのき茸などといって茶色くなる品種も市販されている。

 なめ茸という瓶詰めの茸はエノキダケで作る。

[追記]2014年
 市販されているエノキダケが白く細長いのは、光を当てずにモヤシのように育てるからだそうです。野性のエノキダケは軸は短いし、色は茶色だとのこと。(山と渓谷社『YAMA-KEI FIELD BOOK 7 きのこ』)

 市販されている「ブラウンえのき」は平成14年6月から販売された新しい"品種"で、野生種のエノキダケと、栽培種の白えのきを交配して作られたもの、とのこと。>http://www.marukasapporo.co.jp/back/H15.03buraunenoki.htm

エノキダケは昔から白色のものが好まれていたため、品種改良により日光をあびても着色しないエノキダケが作られたという。>http://www.sawamush.com/pc/fp02.html

まとめると、
「野性のエノキダケは軸が短く全体が茶色い」
「市販されている白いエノキダケは、野性のエノキダケと同種ではあるが品種改良されている」
「市販されているエノキダケが白いのは 1.日に当てずに育てているから 2.日にあてても着色しないように改良された品種だから、のどっちか(たぶん2が主流)」
「品種改良されて色がつかなくなった白えのきと、野生種のエノキダケをかけあわせて作られた新品種が存在する」

TOP

-◇◆◇-
ヤマブシタケ
和名 ヤマブシタケ
漢字 山伏茸

中名 猴頭菌
   猴頭菇
学名 Hericium erinaceum

 中国では猿の頭(おそらくは白いテナガザルの)の茸と呼ぶが、日本ではヤマブシタケという。おそらく山伏が胸につけている白いふさふさの飾りに似ているからだろう。
 生のもの、干品が市販されている。

TOP

 
-◇◆◇-
ヤナギマツタケ
和名 ヤナギマツタケ
漢字 柳松茸
学名 Agrocybe cylindracea
 名前は松茸だが、松茸の仲間ではない。
 朽ち木に生える茸なので、この茸が生えている木は枯れかけているということらしい。町中でも見かけることがあり、京都市内で大量発生して市民をおどろかせたことがあるそうだ。(写真

TOP

目次へ
目次