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通称 アルファルファ
和名 ムラサキウマゴヤシ(紫馬肥)
学名 Medicago sativa
科名 マメ科
沖縄口  
アイヌ語  
中国名 紫花苜蓿(ムラサキウマゴヤシ)
苜蓿芽菜(苜蓿の芽という意味)
金花菜(Medicago hispida)
英名 alfalfa(英)
lucerne 
エスペラント  
その他  
原産地 ヨーロッパ
 
 
牧草にするマメ科植物
 日本でアルファルファと呼んで食用にしているのはムラサキウマゴヤシの発芽したばかりの芽のことだ。
 ムラサキウマゴヤシはヨーロッパ原産のマメ科植物で、牧草として栽培される。ペットの餌としてペレット(乾燥飼料)などに加工されることもある。草としてはカロリーが高いので、ハムスターなどの小動物にアルファルファばかり与えると太るという話を聞いたことがある。

 中国ではアルファルファとよく似た金花菜(Medicago hispida)を食用にする。畑に種をまいて一ヶ月くらいで収穫をはじめ、追肥をしながら摘んでいくと 3〜6 回収穫できるという(参考[広告]>『マメな豆の話icon』)。
 中国のサイトを検索すると、M.hispida を苜蓿としているサイトもある。また、苜蓿をアルファルファ(M.savita)の中国名にあてているサイトもある。明確な呼び分けはないのかもしれない。

 ウマゴヤシのたぐいは生命力が強く、一度種をまけば毎年のように芽を出すと言われている。ローマのプリニウスは、ウマゴヤシは一度まけば三十年は保つと言っている。また、ミツバチがこの植物の花を好むため、養蜂家はウマゴヤシを蒔くようにとすすめている。牧草としても非常に優秀で、他の牧草よりも家畜をよく肥やすと言っている。ウマゴヤシがカロリーの高い草であることは当時から知られていたようだ。ウマゴヤシを食べさせた豚の糞は堆肥にするのによいとも言う。(参考[広告]>『プリニウスの博物誌(全3巻)icon』)。

アルファルファにまつわる言葉
Medicago savita
 アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)の学名。属名の由来は紀元前四世紀にアレクサンドロス大王がメディア(media)から持ち帰った植物だからという説がある。また薬(medicus)にする植物だからともいう。小種名の savita は耕作された、という意味。

Medicago hispida
 中国で栽培される金花菜の学名。和名はよくわからない。ニセウマゴヤシとするサイトを見たことがある。小種名の hispida は剛毛がある、という意味。おそらく、茎か葉に産毛が生えているのだろう。いわゆるウマゴヤシ(M.polymorpha)の茎は無毛である。

Medicago polymorpha
 ウマゴヤシの学名。小種名の polymorpha は、さまざまな形の、という意味。なぜこのような小種名がついたのかはよくわからない。

苜蓿
 中国語でウマゴヤシの属の植物をさす言葉。ウマゴヤシ属は一種ではないが、一般にはあまり呼び分けられていないようだ。北京語の発音はムーシウというが、ペルシア語でウマゴヤシを意味するムースを音訳したものではないかと考えられる。ウマゴヤシは紀元前二世紀ごろに張騫(ちょうけん)という人が西方から中国へ持ち込んだ植物のひとつだと言われている(参考[広告]>『花ことばicon(上)』)。
 日本では、クローバーの訳語に苜蓿をあてていた時代がある。クローバーもマメ科の植物だが、ウマゴヤシとは別の属である。

 
 
珍獣様が食したアルファルファ