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柴又の帝釈天の参道にある大徳という佃煮屋さんで買ったイナゴの佃煮。佃煮は下手に作ると味が濃すぎたり固くなったりして美味しくないことが多いが、ここのは何を買ってもおいしい。 |
イナゴの下ごしらえ 1. イナゴをとってきて、袋詰めにしたまま 1〜2 日放置するこうして下ごしらえしたイナゴを、佃煮にしたり、天麩羅にして食べる。 |
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近所の公園で捕まえてきたイナゴ。これはハネナガイナゴという種類である。ほかにコバネイナゴなんかも都会でよく見かける。イナゴは田んぼにもいるが、河原の葦原などにもいる。10〜11月ごろ、立ち枯れた葦原でたくさん取れる。
とってきたら 1〜2 日放置して糞出しする。今回はタッパーを改造した虫かごに入れておいたが、数が多い時は手ぬぐいかなにかで袋を作っておくとよい。このあと茹でるので、袋のまま鍋に放り込んでしまええるからだ。 |
糞出しが済んだら茹で上げる。沸騰したお湯に放り込むだけだが、イナゴも必死なので跳ねて鍋から出てしまうこともあるので要注意。そのためにもイナゴ袋を作っておいて、袋ごと茹でてしまうのがいいと思う。茹でると写真のように赤くなる。こういうところは海老と同じだ。鍋に放り込んだ瞬間なんかも写したいところだけれど、撮影も調理も一人作業なのでそんな余裕なし。 今回のイナゴはだいぶ発育がよく立派な足がついている。この足が口の中でひっかかるので佃煮にする時はとってしまったほうがいいかもしれない(小さいイナゴならそのままでよい)。今回は天麩羅にするので取らなかった。足にも翅にも栄養があるはずなので、可能な限り全部食べる方向で。
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小麦粉を水に溶いて衣にする。今回は衣にクミンパウダーをまぜて香りをつけてみた。写真がピンぼけなのは左手でシャッターを切ったから。料理中の写真は苦労するのよほんと。 |
下ゆでもしてあるので揚げ時間は短めで。天つゆより塩が似合う。花椒(中国山椒)の粉をまぜた塩を添えてみた。カリッサクッとした歯ごたえが非常に美味。
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ゴールデンウィークに代々木で開催されるタイフードフェアの出店で買ったイナゴ料理。調理法はよくわからないが、たぶん茹でてから炒めてスパイスをきかせた味付けをしたものだと思う。ちょと油っこいが美味しかった。日本でイナゴといえば佃煮が主流だが、こういう食べ方も悪くない。
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お店の人に聞いたらタイ産のイナゴだと言っていたが、真偽のほどはよくわからない。たしかに日本のイナゴよりは大きめで、足もかなり太い。ひょっとするとバッタと呼ぶべきものかもしれない。分類学的に言えばバッタ科イナゴ(Oxya)属の虫をイナゴという。バッタという大きなグループの中の一部の虫をイナゴと呼んでいるわけだが、言葉の上では特に呼び分けず、イナゴもバッタもみんなバッタという国が多いと思う。もちろんバッタも食用になる。 日本でイナゴを食べてバッタを食べないのは、イナゴが主に田んぼにいてイネの葉を食べているからだと思う。昆虫は魚とちがって内臓も一緒に食べてしまうから餌によって味が変わることがあるらしい。田んぼにいるものを取れば餌が限定されるので安心である。もっとも、農薬を使う現在は、田んぼにいるイナゴはかえって危険かもしれない。
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イナゴをボリボリやっていたらコオロギが出てきた。コオロギはコオロギ科の昆虫なのでバッタですらないが、バッタやイナゴと同じく直翅目に分類される虫である。平たく言えば微妙な距離の仲間ということだ。沢山入っていたので偶然まざったのではなく、タイではイナゴと区別していないということだろう。どちらも後ろ足ではね回る虫だ。 日本ではあまりコオロギを食べない。日本の昆虫食は、山奥で大きな川もなく、魚などの動物性蛋白をとりにくい地域で発達するか、そうでなければイネについた害虫をとったついでに食べたのが始まりだろう。コオロギはイネも食べるかもしれないけれど、イナゴほどには注目される存在ではないと思う。 正直なところ、イナゴとコオロギに味の違いなどありっこないと思っていた。けれど、実際に食べてみるとイナゴのほうがカリッ、サクッとした触感がしっかりしており、コオロギは味にコクがあった。これは意外。大きな発見だった。
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イナゴやコオロギをぱくぱくやっていると、さらに別の虫が出てきた。こ、これは…オケラじゃないか!なつかしいなあ、オケラ。東京にもいるし鳴き声もしてるけど目にするチャンスがない。オケラも直視目でコオロギ・バッタ・イナゴと微妙な距離感の仲間だ。味にはあまり特徴はなかったが、イナゴ同様食材になるということを確認できたのは収穫だった。 なお、タイフードフェアの様子は、わたくしの日記でも紹介しているのでよろしければどうぞ。
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