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変わった色のジャガイモ
 
変わった色のジャガイモたち
 

 日本でよく見るジャガイモは、皮も中身も白っぽいものばかり。ところが原産地のアンデス山脈では、赤いのやら紫のやら、いろとりどりのジャガイモが栽培されている。まったく南米というのはご機嫌なところで、ジャガイモばかりかトウモロコシまでもが赤かったり黒かったりするというから隅に置けない。

 最近では日本でも色のついたジャガイモが栽培されていて、上の写真はその一部である。上段左から、レッドムーン、インカレッド、インカのめざめ、下段左からインカパープル、北むらさき、普通の男爵。
 

 
蒸かして切ってみた
 

 電子レンジで蒸かしてから切ってみた。インカシリーズと北むらさきは中身にも色がついているが、レッドムーンは皮だけが赤い。
 
 
蒸かして切ってみた
 

 中身に色がついてる芋を潰してマヨネーズであえたもの。上段左から、インカのめざめ、北むらさき、下段左からインカレッド、インカパープル。レッドムーンは皮にしか色ついてないので省略。

 赤や黄色や紫のポテトサラダを妄想したけれど、きれいに発色するのは黄色のインカのめざめのみで、ほかは色あせてしまう。色だけにこだわるならムラサキイモというサツマイモの品種を乱入させれば鮮やかな紫ポテトサラダができそうだが、赤はどうすればよいでしょうか。
 

 
男爵 だんしゃく
 
男爵

 日本でジャガイモといえば男爵かメイクイーンかというほど一般的なジャガイモ。色の比較用に用意してみたの。
 
 
レッドムーン
 
レッドムーン
 

 種のタキイがアメリカから導入した品種を改良したものらしい(ごめん、よく知らない)。皮はサツマイモかと思うほど赤く、中身はうっすらと黄色い。皮を剥いちゃうと普通のジャガイモみたいになってしまうので、皮ごと蒸かして中身とのギャップを楽しむのがいいと思う。

 肉じゃがにしてみたところ、きめ細やかでねっとりとした食感がなかなか良い!
 

 
インカレッド
 
インカレッド
 

 1990年に北海道農業試験場で作られた品種らしい(例によって良く知らないんだけど)。皮は赤く、レッドムーンと似ているけど、切ってみてびっくり中身はごらんのとおり紅白二色の不思議なジャガイモ。

 ただそのー、この素敵な色分けを生かした料理を思いつかないんだよね。煮物にしちゃったら醤油が染みて色なんかわかんなくなりそうだし。食感は男爵に少し負ける感じなのでどうもねえ。

 ゆでて一口大に切ったのをフレンチドレッシングであえてサラダにするとか、スライスしてポテトチップスにするとか、その程度しかなさそう。誰か素敵な食べ方を考案してくれたら作ってみるよ。まだ余ってるから(2006年11月7日現在)。
 

 
インカレッドのポテトサラダ
 

 ポテトサラダにしてみたんだけど、赤くはならなかったよ。タラコとか混ぜないでピンク色のポテトサラダを作るのは不可能?
 
 
インカのめざめ
 
インカのめざめ
 

 1988年に北海道農業試験場で作られた品種。インカシリーズ最初のもので、スーパーなどでよくみかけるのはこれだと思う。

 皮をむく前は普通のジャガイモと見分けがつかないけれど、切ってみるとサツマイモのような鮮やかな黄金色。黄色はサツマイモやカボチャで見慣れているので使いやすい色だと思う。

 蒸かしてみた感じ、これが一番ほくほくしてて、インカシリーズの中では一番美味しいと思う。検索情報によると、原産地で美味しいと言われている品種を日本の気候でも育てられるように改良したものなんだそうで、なるほどと納得いたしましたよ。参考>日本いも類研究会
 

 
インカのめざめで作ったポテトサラダ
 

 マッシュにしても、マヨネーズを混ぜても、この鮮やかな黄金色は色あせない。卵の黄身でも混ぜたみたいに見えるけど、この色はあくまでインカのめざめの色なんだよ。
 
 
インカパープル
 
インカパープル
 

 1990年に北海道農業試験場で作られた品種で、インカレッドとは母親が同じ異父兄弟にあたる品種なんだって。上の写真では皮が乾いてしまったので黒っぽく見えているけれど、水洗いした直後は皮も鮮やかな紫色だった。
  
 
インカパープルのポテトサラダ
 

 そりゃマッシュにしたら空気が混ざってしまうわけで、色あせるのは必然なんだけどさー。もうちょっと色づくかと思ったのでちょっとガッカリだった。
 
 
インカパープルのポテトサラダ
 

 これはもうちょっと丁寧に作ってみたもの。茹でてから潰し、赤い色素は酸で鮮やかになるのは基本なので、酢を加えて発色させてからマヨネーズを混ぜたもの。多少は色が濃くなったけれど、鮮やかになったというよりは薄汚れた感じ。やはり色を楽しむならポテトフライかポテトチップスがよさそう。

 味にも微妙な部分があって、男爵などに比べるとサラッとしてやけにサッパリしたポテトサラダになってしまって物足りない。

 なお、インカシリーズには「インカゴールド」というのもあるんだけど、それは見たことがありません。皮が赤くて中身が白いジャガイモです。

 また昭和の末に流通していた「インカの星」という品種もあるのですが、それは北海道農業試験場とは無関係で色付きでもないそうです。
 

 
北むらさき
 
北むらさき
 

 1991年に北海道農業研究センター(旧・農林水産省北海道農業試験場)で作られた品種。水洗いした直後は皮が鮮やかな紫で、インカパープルにくらべるといくらか赤みがかっている。

 蒸かして切った感じではインカパープルよりもこっちのほうが紫が濃くて、これはもしかして行けるのでは、と期待したんだけれど……
  

 
北むらさき
 

 このとおり、潰すと白くなっちゃうんだよね。やはり紫色のポテトサラダは幻なのか。
  
 
 
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