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ノビル(野蒜)
 
ノビル
 
 
  都会には食べられる野草なんかないと思うのは間違いで、都内でも大きな川の土手などで食べられそうなものをけっこうみつけられる。山菜と違い、どれも雑草扱いなので抜いても人にとがめられることは滅多にない。

 都会でもみつかる食べられる雑草(笑)のひとつがノビル。これが意外といろんな場所に生えている。公園の片隅(公園は掘り返すと怒られるかもしれないので注意)や、道端(抜いても怒られないだろうけど排気ガスにはまみれているかも)、土手など、おそらく誰でも目にしたことはあるのだけれど、地上に出ている葉っぱの部分にインパクトがないので気づかずにすごしているのではないかと。

 あー、そういえば生えている写真を写してくるのを忘れた。といっても、ノビルが群生している様子は、細くて長い葉がわさわさ生えているだけで、遠目に見るとネコジャラシやスズメノカタビラのようなイネ科の雑草のように見えてしまい、なんだかよくわからない写真になってしまいそうなのだが。

 よく、ノビルとスイセンの根っこを間違えて食べるという話を聞くので採集には注意してほしい。スイセンには毒があるので食べてはいけない。……とはいうものの、よっぽど間が抜けていないとノビルとスイセンは間違えないと思う。間違えて食べるという人は、おそらくノビルを写真でしか見たことがなかったのだろう。ノビルはユリ科でネギの仲間だ。ちぎって匂いをかいでみればネギとよく似ている。それに、スイセンの葉の匂いはネギとはまったく違う。それに葉の厚みや幅がスイセンとはまるで違う。ノビルの葉は針のように細くてつんつんしている。これだけ知っていれば、少なくともスイセンと間違えるなんて間抜けな事故は絶対におこらないので覚えておいてほしいと思う。
  

 
ノビル
 
 
 食べるのは主に鱗茎(りんけい、球根)の部分。直径 1cm くらいの小さな玉だ。食べるので洗って根っこを抜いてしまったが、実際には細長い根があって地面に食い込んでいるので採集には小さなスコップが必要だと思う。

 ノビルはユリ科でネギの仲間。細い葉っぱを手でちぎるとネギのにおいがする。葉のほうも細かく刻んで薬味に使える。
 

 
ノビルの酢味噌和え
 
 
 葉がネギのようならば、鱗茎はニンニクのようだというか、ラッキョウやタマネギのようなものだといえばピンと来るかもしれない。生で食べてもいいのだが、生タマネギに強烈な辛みがあるのと同じように、ノビルの鱗茎にも辛みがある。葉っぱの部分を束ねて、30〜60秒くらい湯通しするとちょうどいい辛さになる。酢味噌を添えれば立派なお惣菜だ。てんぷらにしても美味しいと思う。

 ちなみに、写真左下にちょっぴり写っているのはツクシ
 

 
 
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