■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
珍獣の食卓2
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
今日ご紹介するのは小さくてヒラヒラしたキャベツです。
名前は「プチヴェール」
ヴェールみたいにヒラヒラして小さいからでしょうか。
そのまんまですね。
◎プチヴェール
./cab01a.jpg
日本でキャベツというと、大きくて玉になるものを言いますよね。
でも、それがキャベツのすべてではありません。カリフラワーやブ
ロッコリーもキャベツの変種ですし、青汁にするケールという植物
もキャベツです。ピンポン球みたいに小さな芽キャベツもキャベツ
の変種です。
プチヴェールはケールと芽キャベツを交配させて作ったものなの
で、これも当然キャベツってことになります。玉にならない芽キャ
ベツという扱いだそうです。
◎プチヴェール(大きさはこんなです。小さいでしょ?)
./cab01b.jpg
10 年くらい前の本に「最近はプチヴェールという不結球の芽キャ
ベツが…」と書いてあったので、少なくとも 10 年の歴史があるは
ずですが、あちこちで見かけるようになったのは、ここ 1〜 2 年の
ことだと思います。
ところで、この小さなヒラヒラしたものはどんなふうに生えてく
るかというと、これがまた口では言い表せない不思議な状態なんで
す。
まず茎がすっくと立ち上がります。茎の途中に葉が生えてきます
が、普通のキャベツのように玉にはならず、茎がずんずん伸びつづ
けます。栽培中の写真を見ると茎のてっぺんにだけ葉が生えてます
が、おそらく途中の葉っぱは折り取ってしまうのだと思います。
折り取った葉の付け根から脇芽が出てきます。すると不思議なこ
とに、脇芽のひとつひとつが小さなキャベツのように丸くなるので
す。ピンポン球のように玉になるのが芽キャベツで、葉がヒラヒラ
でゆるいのがプチヴェール。図にすると下のような感じ。
◎参考:芽キャベツはどう成るか
./cab03b.jpg
まるでキャベツの子供がたくさん出来たみたい。上の図は芽キャ
ベツですが、プチヴェールはこれがモサモサした感じだと思えば間
違いなさそうです。
肝心の味ですが、ちょっと苦みがあります。苦みといっても苦瓜
ほどには強くありません。甘みやうま味がしっかりしていて、普通
のキャベツよりブロッコリーに近い味だと思います。
わたくし本当のことを言うとキャベツ大嫌い。
なぜ嫌いかといわれると難しいところですが、水っぽくて味がな
く、かみしめるとヘンなにおいが口の中に広がるのがダメみたいな
んです。
そのにおいも青臭いというほど強くない半端な青さ。キャベツの
色が白とも緑ともつかないように、香りも味も中途半端で理解不能
で、昔はほんとに食べられませんでした。今はそれほどでもないん
ですけど、自分からすすんで買ってくるほど好きではありません。
ところがキャベツの仲間でもブロッコリーやカリフラワーは大好
きです。たぶんうま味が濃くてわかりやすかったんだと思います。
プチヴェールは芽キャベツとケールの合いの子ですから香りも味
も濃いです。こういうのはむしろ人に嫌われそうな気がしますが、
個人的には理解しやすくて美味しいと思います。
下茹でしてから豚肉と炒めて食べました。完成品の写真をとりわ
すれたので、また食べたいんですが、なかなかお店で見かけません。
開発もとの会社に通販コーナーがあるんですが、プチヴェールは
12〜 3月の限定商品のようです。旬は冬みたいですねー。
◎株式会社増田採種場
http://www.masudaseed.com/index.html
今回も勝手にリンクである。
|