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             珍獣の食卓2             

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 あっと言う間に一週間たってしまいました。
 みなさま美味しいモノ食べてらっしゃいますか?

 さて、今週の珍食はといいますと…
 毎度いいわけばっかりで申し訳ないのですが、わたくし、またも
や新しいネタを仕込みそびれてしまいました。

 いえ、サボってるつもりはございません。むしろ普段より大量に
調べ物をして文章書いてるんですけど、どうもメルマガに手がまわ
らなくてごめんなさい。

 先週に引き続きサイトの更新状況を…と言いたいところですが、
まだ更新してないのでその手も使えません。仕方がないので今日は
失敗談なんかを披露してみたいと思います。

 わたくし、かなりズボラなものですから、野菜を放置して芽をは
やらかしてしまうことがたびたびあります。ニンジン、ジャガイモ、
長芋、里芋…そりゃあもう、いろんなものを発芽させてしまいまし
た。

 悪いことにズボラなくせに余計な遊びが大好きで「芽が出たから
って捨てるのもったいないから観賞用に栽培しよ〜っと」なんてこ
といいながら、いろんなものを育てました。

 ニンジンは花が咲くところまで見届けたし、長芋からはムカゴを
採りました。ジャガイモはわずかですが新しい芋を収穫するにいた
りました。里芋も新しい芋が増えてふくらんでるようです。どれも
プランターで(しかもろくに肥料もやらずに)育ててるので、あま
り立派なものにはなりません。でも、普段食べてるものがどんな植
物になるのか見られてけっこう楽しいんです。

 さて、ある日のことです。
 立派に葉をしげらせた里芋を見て思いました。
「芋が食えるのは当然のこと。この葉っぱは食えないのかしら?」

 そういえば芋茎(ずいき、いもがら)ってやつは里芋の葉柄を乾
燥させたやつじゃなかったかしら。ということは食べても大丈夫な
はず…と、短絡的に考えたわけです。

 そこで立派な葉を根元から一本切ってみました。
 最初だから生でかじってみました。
 小さく切って、口に入れてみると、しゃくしゃく面白い歯ごたえ
で、スジっぽくもありません。

 これはけっこうイケるぞ。
 どんな味をつけて食べよう?
 …と思った瞬間、口の中にものすごい刺激が炸裂しました。

「うぎゃ、辛い、辛いっていうか痛いよ。
 …あっ、そうか、これって里芋の茎だった!」

 勘のいい人はすでにおわかりだと思うんですけど、里芋のぬるぬ
るを素手でさわっていると手がかゆくなることがありますよね。あ
れは、蓚酸カルシウムのトゲトゲした結晶が皮膚を刺激するからだ
そうです。

 そんなことは重々承知でしたが、芋と葉が頭の中で結びついなか
ったのです。里芋の蓚酸カルシウムは葉っぱにも多量に含まれてい
ます。そんなものを生で口に入れちゃったものだから、舌も喉も痺
れっぱなしで小一時間何も食べられませんでした(よい子のみなさ
んはくれぐれもまねをしないように)。

 失敗ついでに考えました。
 蓚酸カルシウムは芋にも含まれてるはず。
 でも芋は加熱したら食べられる。
 茎だって茹でて水にさらしたら食べられるんじゃないかしら?

 さっそくやってみましたが、思ったようにアクが抜けず、やっぱ
りチクチクしました。茹でる時に酢を加えるとか、もっと長い時間
水にさらすとか、乾燥させて水で戻してから使うとか、なんらかの
方法で食べられるかもしれませんが、そこまでするほどのモノじゃ
ないと思ったので実験は中止しました。

 なお、里芋には、アクの多い品種と、少ない品種があるそうで、
芋茎として食べるものはアクのない品種です。市販の芋茎で悶絶す
るようなことはありませんのでご安心ください。 

 というわけで、変なモノ好きも高じると、たまに失敗するという
お話でした。大丈夫です。珍獣様はちっとも懲りません。死なない
程度にこれからもいろんなものを食すのです。

 というわけで、また来週。
 


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