はいはい、こちらがチャドクガの親御さんです。

「えー、何これ、後ろにも前にも頭がある！」

　そう思ったあなたは純真な方ですね。残念ながら後ろには頭はありませんよ。下の写真はチャドクガの成虫が尻あわせに 2 匹いるんです。

　つまりその、交尾ってやつですわね。おほほほ。
　左側の大きいのが、たぶんメスだと思います。夫さん、尻に敷かれてますね。

　オレンジ色で、翅に霧吹きで吹いたみたいな細かい点がちらばってるのが特徴です（似た虫で細かい点のないのはドクガ）。

　意外ときれいな虫ですよね。
　でも触っちゃだめですよ。ドクガ・チャドクガはオトナになっても体に毒毛が残ります。

　毛虫時代の毒毛は、蛹になるとき繭に織りこまれ、羽化するときに成虫の腹につくそうです。ドクガ・チャドクガの母たちは、生みおとした卵に腹をこすりつけて毒毛を移します。

　卵から出てきたばかりの幼虫には毒毛はないらしいんですが、母ドクガが置いていった毒毛を体につけて頑張るらしいですよ。

　刺さると痛い毒の毛にも愛のドラマがあるってわけなのよ。
　でも騙されてはいけませんよ。触るとほんとにひどい目にあいますからね。