「あーら奥さん、おたくも御産卵ですか?」 「まあ、おたくも? ちょうどよかったわ。一緒に産卵しましょう」 「よろしいんですか? じゃあお邪魔します。プスリ」 「アタシも負けてられないわ。がんばらなくっちゃ。プスリ」
バラの茎に産卵管をしっかり差し込んで、奥さんたちは一心不乱に卵をうみつけている。こうなってしまうと、木をゆすっても離れないし、指先でつついても動かない。産卵管が簡単には抜けないように出来ているのかもしれない。