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和名 コアシナガバチ(小足長蜂)
別名  
中国名 馬蜂(アシナガバチの総称)
科名 スズメバチ科
学名 Polistes snelleni
出現期 夏〜10月ごろまで
昆虫を捕まえて食べる
採集地 東京都江戸川区


 
コアシナガバチが巣を作った
2003年7月10日撮影

 ベランダにアシナガバチが巣をかけた。まだそれほど大きくはない。アシナガバチは種類によって巣のかけかたが違うという。こんなふうに反り返った巣をかけるのはコアシナガバチという種類だ。

コアシナガバチ
2003年7月10日撮影

 腹と胸の境目のくびれたところに黄色い線があること、腹の二番目の線が茶色いことがコアシナガバチの特徴だそうだ。

 左上に移っている小さな部屋の中に卵が産み付けられている。左下の深い部屋には幼虫の黒光りした頭が見えている。

蜂の子
2003年7月10日撮影

 巣穴に幼虫が入っているのが見える?

 ハチの仲間はどれもそうだが、小さい頃は芋虫状で、成長すると蛹(さなぎ)になり、蛹が羽化して大人のハチになる。夏に羽化するのはメスばかりで、秋になるとオスが現れて、交尾のためにどこかへ飛んでいってしまう。せっかく作った巣はその時に捨てられる。翌年は新しく巣を作るので、同じ巣に戻ってくることはないそうだ。なので、巣を見ても慌てて壊さないで、秋までそうっとしておけばいい。

コアシナガバチ
2003年7月10日撮影

 成虫を横からみたところ。かなり近づいてシャッターを切ったが、巣作りに熱中してカメラにはまるで反応なし。ハチを見ると刺すから恐いと思いこんでいる人は多いけれど、アシナガバチの仲間は巣を直接壊されるようなことがなければ人を刺さない。
 それどころか、アシナガバチの仲間はみんなが嫌う芋虫や毛虫を食べてくれるので、できれば大事にしてほしい。
 

 …でも、やっぱりハチだから「刺されそうで恐いし、部屋に入り込まれるのはイヤ」って人はきっと沢山いるはずなんだよね。珍獣様はぜんぜん平気なんだけど、ベランダの目立つところに巣をつくられてしまったので、ご近所に気づかれる前になんとかすべきかなあ。

 スズメバチやミツバチは危険なので素人が手を出さない方がいいと思うんだけど、アシナガバチなら自分でなんとかできそう。一番簡単なのは、夜、暗くなってから、殺虫剤で親バチを追っ払って、すかさず巣を落としてしまう方法。殺虫剤をぶちかけても虫はすぐには死なない。ビックリして飛びまわるだろうけど、手で払ったりしなければ襲われないと思う。

 でも、殺虫剤を使うと巣のなかのハチの子が薬漬けになってしまう。アシナガバチの子は食べられるのだ。せっかく自分で巣を壊すんだからハチの子も食べてみたいので殺虫剤はダメ。追っ払うだけでいいなら、お線香を束にして下から煙でいぶしたらどうだろう。線香の煙くらいじゃハチはまいらないかな?

 もしお線香で失敗したら、親バチもろとも巣をビニール袋で覆ってからもぎ取って、そのまま冷凍庫に放り込んだらどうかな。ハチは気温が下がると動けなくなるので仮死状態の親バチだけを外に捨てるなり、唐揚げにして食べるなりすればいいんじゃないかなあと(親も食えるらしいですよ。調理中に生き返って刺されそうだけど)。

 とりあえず今夜あたりお線香をためしてみる予定。うまくいったら巣から引っ張り出した蜂の子の写真なんかも掲載できるかも。


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