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(珍獣日記より転載。夜の出来事なので作業中の画像はナシ)

 …で、コアシナガバチの巣を撤去してみた。
 作業は暗くなってから開始。一人でやると煙でいぶり出すのが精いっぱいなので照明役に家来のTを呼び出して懐中電灯を持たせた。

 寝ているハチをいきなり驚かせないよう、懐中電灯にはガーゼを巻いて光をやわらかくして照らす。それから、束にした線香に火をつけて、巣の下から煙ぜめにする。煙があたるとハチは嫌がって翅をブンブンふるわせるけど、なかなか逃げて行こうとしない。

 そのまま 2〜3 分煙をあてていると、一匹また一匹と、巣から落ちたり、歩いて離れたりするハチがでてきた。やっと効果がでてきたか。
 巣から落ちたハチは闇雲にとびまわり、珍獣様の腕や首筋にたかって「うひゃあくすぐったい、やめてぇぇぇ」となったが、この時は刺されなかった。

 すべてのハチが巣から離れたところで壁に貼りついてる部分(一カ所しかない)をハサミで切って巣を撤去。巣が小さかったせいもあるけど撤去作業そのものは簡単である。

コアシナガバチが巣を作った
2003年7月10日撮影

 この写真でいうと、右側のはじっこで壁(というか窓枠)にくっついてる。ここを切り落とせば簡単にはずれる。
 しかし大変なのはそれからだった。
 肩のあたりがもぞもぞする。服の上には何もいない。気のせいかと思ったが、やっぱりもぞもぞする。いや〜ん、服の中にハチがいる〜。慌てると危険なので、落ち着いてそーっとシャツを脱ぐ。ハチは慌てて飛んで行った。この時も刺されずにすんだ。ハチのほうも刺すつもりで潜り込んだんじゃなく、パニックを起こして物陰に隠れたつもりだったんだろうな。
 いちおう襲われることも覚悟して長袖のシャツを着てみたのだが首筋のガードをすっかり忘れていた。次にやるときは大きなスカーフを頭からかぶって、首にぐるぐる巻いておくと良さそうだ。

 そんなこんなで珍獣様は無事だったのだが、今度は家来のTが「イタイ、刺された!」と言いはじめた。刺されるって、いきなりどこから刺されるんだよ…と思ったら、家来の服の中にもハチが入り込んでいたらしい。うはっ。

 背中に入り込まれ、服を脱ぐまでに二度刺された。ミツバチだったら一度刺すと毒針が抜けて死んでしまうのだが、アシナガバチやスズメバチは何度も刺すことができる。二度で済んでよかった。まったく油断ならないなー(自分は刺されてないので危機感ゼロ)。

 とりあえずキズを洗い流して、虫さされの痛みは冷やしたほうがいいからアイスノンで冷やす。
 家来はよっぽど痛かったのか「やばいかもしれない。どうすればいいのか調べろ」というので、119 番に電話して「救急車は必要ないと思うんですがアシナガバチに刺されたんですよ〜、どうやって手当すればいいですか?」と聞いてみた。

 救急隊員らしき人がいうには「医者に行くほどでないのなら、冷やして痛みをとめつつ虫さされの薬を塗っておけば、そのうち腫れも引くんじゃないですかね」と言っていた。そうだろうな。ショック症状でもおこればコワイけど、そうでなきゃ問題なのは痛みと腫れだけだろうし。

 虫さされの薬といってもかゆみ止めとかじゃダメだろう。抗ヒスタミン系のステロイド軟膏とかゆうのがいいはずなんだけど、買い置きがないなあ。ちなみに、ハチに刺されたらオシッコをかけるといいっていうのは迷信なので決してやらないように。かえってかぶれるかも。

 しょうがないのでアイスノンで冷やしつつ様子を見る。30 分経過してもショック症状(吐き気や痙攣など)はなさそうなので、とりあえず平気っぽい。痛みはしばらく続くだろうけど、まあしょうがないよね(って、おい)。

 というわけで、(何度も言うけど)アシナガバチの巣を危険だと思うのなら、下手に壊さずにそっとしておいたほうが安全。アシナガバチは巣を壊されると近くにまた作ろうとするらしいし、苦労して壊しても同じ場所にまた作られてしまうしね。ほうっておけば秋には必ず空き家になるはずだから、壊すのはそれからで充分。
 

 それで、問題のハチの子ですが、ふふふ、いるいる、しっかり入ってる。明日ゆっくり、明るいところで巣から引っ張り出してみるよ。

三つの単眼
2003年7月10日撮影

 ハチには複眼のほかに単眼が三つある。額にある「」が単眼だ。

 

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