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家主は出ていった直後らしい
2003年10月1日撮影

 わりと新しい繭をみつけました。家主が出ていった直後らしく、蓋(ふた)も残っているし、蛹の抜け殻も残っています。ふしぎなことに、イラガの仲間の繭は、こんなふうにパックリきれいに蓋があくようにできています。しかも、かならず上をむいて蓋があくのが決まりです。

逆子?
2003年10月1日撮影

 けれど、世の中には例外というものが必ずあるもので、たまにこの写真のように下側に蓋があいて出てくるものもあるようです。下からといっても、尻から出てくるのではなくて、繭の中で蛹の頭が下をむいていたようです。

 
使用前使用後
2003年10月1日撮影

 繭の秘密をとく手がかりになりそうな写真も用意してみました。

 上の 2 枚の写真は同じ繭の写真なのですが、右側は繭のまわりを掃除したあとです。ヒロヘリアオイラガの繭は、左の写真のように固い殻がやわらかい糸のようなもので包まれていて、何かの理由で糸がとれてしまうと、右の写真のような形になるようです。

 ここでまた仮説。ヒロヘリアオイラガの幼虫は、まず体のまわりを糸で固定して粗い繭のようなものを作り、その中で固い殻を作るではないでしょうか。そのため、新しい繭は左のように木の幹と繭との境目がなだらかで、少し古くなって糸がとれてしまうと右の写真のように木との境目がくっきりした繭になるのかもしれません。やはり飼ってみるべきかも。今年の幼虫は冬を越さないと羽化しないと思うので、やるとしたら来年かな。

 

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