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和名 キバラヘリカメムシ…の幼体
別名  
中国名  
科名 ヘリカメムシ科
学名 Plinachtus bicoloripes
出現期  
食草 ニシキギ、マユミ、ツルウメモドキなどの汁を吸う
採集地 東京都江戸川区


 
 葛西臨海公園を歩いていたら、ニシキギの茂みの中に何かものすごく鮮烈なものを感じて立ちどまってしまった。

 ハッキリ何かを見たというわけじゃないのに何かがいるというのは感じる。ど近眼で人の顔を覚えたりするのは異様に苦手。人混みで知り合いとすれ違ってもぜんぜん気づかなかったりするのに、なぜかこういう気配は感じられるから自分でも不思議だ。

 茂みの中に目をこらすと、そこには本当におかしな物体がかたまって暮らしていた。ぱっと見て思ったのは「なんて巨大なアブラムシ」だった。体の形がアブラムシによく似てる。頭と胸が小さくて、丸くておおきな腹がついてる。全体に緑色をしてて、足は白黒のだんだらで、長くてふとい触角を持っている。翅はない。

へんなヤツがいる…!
2003年7月17日撮影

 体長はちゃんと計ったわけじゃないけど 20mm くらいありそう。アブラムシそっくり。でに、そんな巨大なアブラムシはありえない。

 
 ジッと見ていると頭がぼーっとしてきた。
 もしかしたらとんでもないものを見たのかもしれないと思った。その反面、ふしぎな既視感がある。たとえていうなら外国の昆虫図鑑に載っている虫を野良で見てしまったような感じ。

大小まじってかたまって暮らしている
2003年7月17日撮影

 大きさにバラつきがあるようだが、大きいのはこれでオトナなんだろうか?
 触っても大丈夫なものか?
 っていうかこれは日本にいていいものなのか?

 さまざまな妄想がわきあがる中でシャッターを押してみたけれど、薄暗い茂みにいるのと体がテカテカしているせいかうまくピントがあわない。
 

 家に帰り、すこし冷静になってから考えた。
 アブラムシではありえない。でもアブラムシにこれだけ似ているんだから半翅目じゃないだろうか。でもセミやハゴロモではあり得ないからカメムシか?
 翅がないということは幼体なのかもしれない。幼体か…これは厄介だなあ。図鑑に載ってるのは成体の写真ばかりだから。

 体型と、足のふともも部分が白いことを手がかりに、もし翅が生えたらどんな姿になるか想像しながら図鑑を見た。キバラヘリカメムシというのが似ている気がした。幻の虫でもなんでもない、ありふれたカメムシの仲間だった。

 それから名前をたよりにネットで検索する。多分これだ。少なくとも近い仲間であることは間違いない。

 
大小まじってかたまって暮らしている
2003年7月17日撮影

 翌日、もう一度見に行ってみた。
 昨日と同じ場所で、同じようにかたまって暮らしていた。

 こいつらいつ頃オトナになるのかな。どうせだから成体の写真もほしいんだけど。
 オトナになるとかなり雰囲気が変わって地味になる。興味のある人は検索で成体の写真もさがしてみよう。

 

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