和名 サザナミスズメ
別名
中国名 絨星天蛾
科名 スズメガ科
学名 Dolbina tancrei
出現期 年 2 回 5〜6 月 7〜8 月
食草 トネリコ・イボタ・ネズミモチなどモクセイ科の樹木
採集地 東京都葛飾区・江戸川区
※改めて見ると、このページと次のページの白っぽく見える個体はシモフリスズメっぽくも見えたりする。結局どっちかよくわからない。図鑑は手元にないし、遠くの図書館の禁帯出本だから確認しにもいけないし。


 
たれさがる芋虫 1999年9月24日撮影  
 
 木漏れ日の中にひそむ淡いみどりのその体。もぎ取ろうと手をのばせば、それははげしく身をよじり、わたくしを驚かせる。
 芋虫は愚鈍ではない。ただ、物静かなだけ。やわらかそうなその体の中には、強靱なバネを隠している。その身に危機が迫るとき、腹足は力強く枝をつかみ、投げ出した上半身をふりまわす。
 ぶるぶると、ぶるんぶるんと、ふりまわす。
 
 

 
 しかしこの柔肌を、どうして見逃せようか。わたくしは、むずかるそれを枝ごと手折る。
 不意に陽のもとにさらされ、それは木陰を求めてゆっくりと身をよじった。
手折りてゆかん秋の芋虫 1999年9月24日撮影
 
 
三角の面差し 1999年9月24日撮影  去りゆく芋虫に名を問うても無意味なことだ。わたくしたちが望むのは、それら芋虫の本当の名前ではないのだから。人が与えた仮の名を、あずかり知ろうはずもなし。
 ただせめてもの名残にとその顔を見るなら、角の丸い三角の、白い縁取りも鮮やかに……
 
 
するどい尻尾 1999年9月24日撮影  ああ、そなたはサザナミスズメ。するどく天をさす尾の形すら忘れえぬ虫。
 

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