和名 シモフリスズメ
別名  
中国名 細斜紋天蛾 霜降天蛾 丁香天蛾など
科名 スズメガ科
学名 Psilogramma increta
出現期 年 2 回 5〜6 月 7〜8 月
食草 ゴマ、クサギ、ハマゴウ、ムラサキシキブ、キリ、モクセイ、ネズミモチ、イボタノキ、ハシドイ、ヒイラギ、オリーブ、オオバイ、シソ、ノウゼンカズラ、ガマズミ…など
採集地 東京都葛飾区


 
2000年9月22日撮影

 ネズミモチの木にいました。体長10センチくらい。かなり大きいです。捕まえようとしたらシモフリさんがビックリして吐いてしまいまして、少々汚れてます。

2000年9月22日撮影

 だいぶ落ち着いたところ。よく見るとシワの間がまだ汚れてるんですけどね。

 芋虫は普通、人をかむことはないですが、これだけ大きな芋虫になるとアゴがしっかりしているので、捕まえると手のひらをガジガジやられます。歯があたってるだけで痛くはないです。どっちかっていうとくすぐったい。

 
 
2000年9月22日撮影

 顔を写そうとしたら激しく頭をふって拒否された。

 
 


2000年9月22日撮影

 それでも無理矢理撮影。芋虫相手とはいえ、悪代官にでもなった気分。
 顔はサザナミスズメに比べると丸っこい感じだったと思う(この文章は写真とってから2年後に書いてるので記憶があやふや)。
 
 
 
2000年9月26日撮影 2000年9月26日撮影
 
 
 連れて帰ってしばらく飼っていたのですが、うっかり目を離した隙に脱走してしまいました。
 このまま部屋の中で蛹化してしまうのでしょうか。蛹になるのはかまわないのですが、どこにいるのかわからないと潰してしまうかもしれません。

 白状いたしますと、わたくし以前にも芋虫に逃げられたことがあるのです。たいていは見つかるのですが、その時はどうしても見つかりませんでした。しばらくして、部屋の掃除をしたら、積んであった雑誌の下からつぶれた芋虫がでてきました。どうやら、放置してあったタオルの中で蛹になっていたところへ雑誌を積んでしまったようなのです。
 たまたま蛹化準備に入った芋虫の目の前にあった使いかけのタオル。なんと不幸な偶然でありましょう。もはやこれは、運命の女神による未必の故意、殺意なき殺芋虫事件なのであります(いや、使いかけのタオルなど放置しておく珍獣様のズボラさが諸悪の根元だという話もかなりあるが)。

 そうなる前に、なんとしてでも探し出さねばなりません。
 ところが、芋虫なりに必死で逃げたのでしょう、どこを探してもみつかりません。体長 10センチですから、どこへでも隠れられるのです。テレビの裏にでも行ってしまったのでしょうか。だとすれば潰す心配はないのでかえっていいのですが。
 すっかりあきらめた頃、机の下でがぼ様(猫)がスフィンクスのように伏せの姿勢で何かをじーっと見ているのに気づきました。ただ休んでいるのではありません、この顔はあきらかに何かを見つめている顔です。彼の視線の先に目をやると、あきらめていた芋虫がいるではありませんか。
 こうして、シモフリスズメ脱走事件は解決しました。今回の功労者である がぼ様は、行きがかり上ほめてやりましたが、うごめく虫にじゃれつこうともせず、ただ見ていただなんて、猫としてどうなのか難しい問題です。

 命がけで脱走をはかったシモフリスズメはもとの木にもどしました。元気に枝にしがみついていたので、鳥にでもとられなければ立派な蛾になったことでしょう。かなり大きな蛾になるはずです。 

 

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