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和名 ハグロハバチ(幼虫)
科名 ハバチ科 学名 Allantus luctifer 中名 黒翅叶蜂 撮影日 2007/06/28 撮影地 東京都葛飾区 特徴 ・幼虫はギシギシ、スイバなどの葉を食べる。 ・幼虫の背面はすすけた濃い緑で、腹側は明るい黄緑。脇腹に黒い点が規則的に並ぶ。 ・成虫は黒く、オオクロハバチに似ている。脇腹に白いところがある。 08年07月13日放映の鉄腕DUSHによると、ダッシュ村のバナナの葉にハグロハバチがついたという。テレビに映っていたのは確かにこの虫だった。
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6月下旬
葉に食い痕のあるギシギシにはかなりの確率でこの虫がついている。葉っぱの裏側にいることが多い。 たまに、アカシジミという別の虫の幼虫がついていることもあるが、ハグロハバチ率のほうが高い。 |
成虫が見たいので飼うことにした。餌はギシギシなのでそこら中に生えているから困らないだろう。 |
最初は普通にカブトムシなどを買うプラケースを使っていたが、通気用のスリットどうしても逃げてしまう。小さな若齢幼虫でなく、ぱっと見では出られそうもない終齢の幼虫たちがお構いなく逃げ出す。体がやわらかいので、かなり小さな隙間を抜けられるようだ。
仕方ないから飼育箱をこういうのに変えてみた。食品保存用の密閉容器を買ってきて、蓋に穴をあけて網戸修理用の網を荷物梱包用の透明テープで固定。一見いいような感じだけど、編み目に空気が入るのでテープがすぐはがれてしまう。早晩ぶちこわれると思う。 |
案の定だめだった。幼虫たちは網とテープの隙間に無理矢理入り込んで、どんどん死んでいった。 |
仕方がないのでグルーガンを購入して、網戸用のしっかりした網を強力に接着。これで脱走は完璧に防げるようになった。
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餌のギシギシはどこにでもある雑草だが、7月も間近なこの頃、薹(とう)が立って葉が枯れ始める。またすぐに新芽が出てくるものの、そのわずかな空白期間にさしかかってしまい、餌探しにいくらか難航する。
公園や土手などを探し回り、やっとみつけたギシギシの葉には、すでに先住のハグロハバチがいてムシャムシャ食べている。最初のうちは虫を増やさないようにきれいな葉を選んで摘んだが、次第にそんな余裕はなくなり、手当たり次第に摘んできてあたえるので虫がどんどん増えて行く。飼育箱の中はこんな感じ。
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箱に土を入れてあるのは、ハグロハバチが土中で蛹になると予想したから。はじめのうちは小さな花びんにギシギシの葉をさして素敵に飼っていたけれど、数がふえてくるとそんな悠長なことをしていられなくなった。ハグロハバチは食欲旺盛で、ギシギシの葉は二日もすると葉脈だけになってしまう。
いい加減、数を減らさないと餌が大変。かといってこれだけ大量の虫を一カ所におっぱなすのもどうかと思い、コップに熱湯を用意して育ちの悪そうなやつにはあの世へ行っていただいた。 そうしているうちに、間引いた数以上に幼虫の数が減ってきた。7月になると1頭もみつからなくなる。脱走はしていない。たぶん土中にもぐって蛹になったのだろう。掘り返して蛹を見たいと思ったが、とりあえず成虫を見るのが先決だと思い、やめておいた。 |
7月5日
幼虫が姿を消してから5日ほどで成虫が現れた。黒くて小さな虫である。いちおうハチなのだが、たぶん刺さないと思う。 そこで問題なのは、どうやって飼育箱から出すか、である。蓋をあけたら飛んでしまうので写真がとれない。しょうがないので東京都指定のでっかいゴミの中に頭をつっこんで、そーっと箱をあけたりしてみたが、そんな状態でカメラのピントがあうわけがない。 しょーがないから死ぬまで放置。左の写真は死んだのを撮影。 |
死んだ虫はひっくりかえして腹まで見えるので、これはこれで貴重といえるかも。
ハグロハバチの成虫は、オオクロハバチの成虫とよく似ているけれど、オオクロハバチは足の一部がハッキリと白いそうだ。ハグロハバチの足もうっすら白くはなっているけれど、真っ白くはない。 |
それと、ハグロハバチは脇腹の節が三カ所くらい白くなっている。脇腹の白いところはオオクロハバチにはない、らしい。
らしい、というのは実際にくらべてみたことがないから。オオクロハバチも同時進行で飼っていたんだけれど、餌のトネリコを用意するのが難しく、今年は飼育を断念した。庭木用のトネリコが安く手には入ったらまたやってみる予定。 |
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