鳥呑みじじい |
おじいさんが畑仕事をしていると、うつくしい鳥がとんできて、鍬(くわ)の柄にとまってなきました。 「おちゃんぴんぷう」 おかしな声でなく鳥もあったものです。けれど、その声をきくと不思議とゆかいな気分になります。 おじいさんは、その鳥をつかまえてやろうと、お昼に食べようともってきたお餅を鍬の柄にくっつけて、そっとようすを見ていました。 すると、またあの鳥がとんできて、鍬の柄にとまりました。鳥はお餅に足をとられ、ばたばたもがいているうちに、羽にも餅がくっついてしまいました。 「これこれ、あばれるな。今とってやるからのう」
鳥はおじいさんの腹のなかであばれているうちに、しっぽだけヘソから出てきました。
おじいさんは鳥のしっぽをひっぱりましたが体がつかえてヘソからでは出てきません。鳥はくるしくなっておじいさんの腹の中でなきました。
こりゃあおもしろい、ばあさんにも見せてやろうと、おじいさんは家にとってかえして、
おばあさんは大よろこび。
下に下にという声とともに、お殿さまの行列がやってきます。先ばらいのお侍がおじいさんを見て、
おじいさんは、やっと背負えるほどたくさんのご褒美をお殿さまからもらって、えっちらおっちら家にかえっていきました。
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