屁こきじじい |
あるところに貧乏なおじいさんがいました。貧乏で食べるものがなくて、芋のしっぽみたいな粗末なものばかり食べていたら、どうしたことか大きな屁(へ)がでてしかたがなくなりました。 「ばあさん、やたらと屁が出てたらまらんわい。それ一発、ぴーひゃらら」
そうしたある日、お城のお殿さまが領地を見においでになりました。おじいさんはお殿さまの行列がやってくると、尻をまくっていいました。
ぴー ぴー ぴーひゃらら
おじいさんの屁は、祭りのおはやしのようになりました。お殿さまはたいへんおよろこびになって、おじいさんにご褒美をたくさんくれました。 この話をきいた、となりの家のじいさんは、
お殿さまがやってくると、
ぶりぶりぶりぶりっ いきおいあまって屁ではなく糞(くそ)をひってしまいました。これにはお殿さまは大いかりで、おじいさんをつかまえて、牢屋にいれてしまいました。
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