鬼が悪さをするわけ |
ある山に鬼が住んでいた。 角をはやらかして、恐い顔をしていたが、鬼どもは悪さをするでもなく、おとなしく暮らしていたという。 ある日、鬼の大将が、人間の娘を見初めて、どうしても嫁にしたいと思った。 そこで百日の間、宝を手みやげに娘の家に通ったが、父親がどうしてもうんと言わない。 鬼はとうとう、娘が遊びにでかけるのを待ち伏せて、桶につめこんでさらっていってしまった。 村人たちは「鬼に村の娘をとられてなるもんか」と、手に鎌やら鍬やらを持って鬼を追いかけて行った。
鬼がもどってきて桶をたしかめると、娘の着物が見えるので、
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