相撲は命の洗濯 |
ある若い衆が三人して、わしらの運がどれほどのもんか、八卦をみてもらおうかいと相談して按摩さんのところへ出かけていった。この地方では按摩さんが八卦をみて占いをすることになっている。 按摩さんは筮竹をくって
男たちはびっくりして、わしらは明日には死ぬ運命だったかと悲しんだが、どうせ死んでしまうのなら、やりたいことを思いっきりやってから死のうと考えた。 そこで、ひとりは芝居を見に行って、もうひとりは親戚を呼びあつめて美味しいものをたらふく食べることにした。そうしているうちに午後一時になって、このふたりは占いのとおりに死んでしまった。 最後のひとりは相撲を見に行ったが、夢中になって見ているうちに時間を忘れ、ふと気が付いたら一時をすぎていた。その日はずっと、いつ死ぬかとハラハラしながら過ごしたが、それっきり死ぬ様子もなく生きつづけていた。 それからというもの、このあたりでは「相撲は命の洗濯」と言われるようになったのだと。
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