木仏と金仏 |
あるところに長者さんがおった。 りっぱな金の仏様を大事にしておったんだと。 村の若い衆がそれを見て、
ある夜、長者さんが物音に気が付いて目をさますと、家の前に村人が集まって何かしている。
「こりゃあ愉快だ。川流れの棒っきれ様がうちの仏さんに勝てるはずがない。もし棒っきれ様が勝てたら、わしの家屋敷、田畑すべて、耳そろえて若者にくれてやるぞ」
そのうち、棒っきれ様が長者さんの金仏をぽーんと投げ飛ばして一本あった。
それを聞いて長者さんは恥ずかしくなって、若者に家屋敷と田畑をやると、どこか遠くの町へ行ってしまったんだとさ。
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