おはぎのお代わり
 
 
 和尚さんは甘いものがだいすきでした。村の人からもらったおはぎを、小僧さんにないしょで食べてしまおうと思いました。

 ところが、大きなおはぎをあわてて食べようとしたので、のどにつまって苦しくなりました。こんなところを小僧さんに見られてはたいへんです。和尚さんはのこりのおはぎをおいたまま、便所にかくれてしまいました。

 そこへ小僧さんがやってきて、和尚さんの部屋におはぎがあるのをみつけました。あたりをみまわすと和尚さんのすがたはありません。
 小僧さんは皿からおはぎを一個とって、かくれて食べようと便所にはしってきました。

 ところが、便所には和尚さんがいて、のどにつまったおはぎをのみこもうとしています。
 小僧さんはびっくりして、とっさのきてんで
「和尚さま、おはぎのお代わりをおもちしました」
と、いいました。

 和尚さんもびっくりして、
「わしはまだ食べているから、おまえがおあがり」
と、いいました。
 

 
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