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ある王様が中国に留学した時のお話です。
学問をおさめて故郷の国へ帰るそのとき、王様の船はひどい嵐にあって沈んでしまいました。
王様は、小さな島に流れついて助かりましたが、その島には人間がおらず、一頭のメス熊が住んでいました。
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その島で七、八年暮らすうちに、メス熊と気持ちが通い、やがて結ばれて男の子が生まれました。
生まれた子供は人間の姿をしていましたが、背中に熊のような毛がはえていました。 |
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ある日沖縄の船がこの島のそばを通ったので、王様は国に帰れることになりました。王様は、熊に食べ物をさがしてこいと言いつけて、息子だけを連れて船に乗ってしまいました。
自分だけ取り残されたことに気づいた熊は、息子と夫を乗せた船をいつまでも見送っていました。
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こうして、王様と熊の息子は国に帰りつきました。けれども、熊女房の息子は母親が恋しいといって泣いてばかりいます。
王様は「おまえの母親は、もう死んでしまったよ」と言ってなだめようとしましたが、息子は聞きません。死んだのならクシタマ(遺骨、または魂?)が残っているはずだと言うのです。
王様も、一度は妻にした者を置き去りにしたことが悔やまれて、息子と一緒に島にもどってみると、熊は息子を見送る姿のままクシタマになっていました。
王様と息子は熊のクシタマを国にはこんで、立派なお墓をたてて葬りました。 |
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