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雷が落ちた井戸(東京都) |
雷さんが落ちてきた?
三島神社 東京都台東区下谷3丁目7-5 JR鶯谷駅から徒歩15分くらい 地下鉄日比谷線下谷駅から徒歩10分 地下鉄日比谷線箕輪駅から徒歩15分 [google地図で確認] 有名な伝説があるわりに知名度が低く小さな神社なので地図に出てないことがあります。 御祭神は
「地震・雷・火事・親父」って言いますよね。恐いものを上から順に並べた言葉です。地震と火事と、お父さんはたしかに恐いかもしれませんが、「雷は恐くないよー」って人、けっこういるんじゃないでしょうか。 今ではどの建物にも避雷針があったりして、落雷で大きな被害を受けることはなくなりました。たまにゴルフ場で雨の中プレイしてた人が落雷にあって大けがをすることはありますけど、雷の被害なんて、今はその程度だと思うんです。 でも昔は違いました。畑仕事でもしていれば自分に落ちるかもしれないし、町中の大木にでも落ちれば、火事になって町中が焼けるかもしれません。どこもかしこも木造家屋ばっかりですから。 オマケに昔の人には雷が落ちる理由なんてわからなかったでしょうから、地震とならんで意味不明な恐怖を与える存在だったはず。雷さんが恐いもの No.2 の地位を確率したのはそんな理由からでしょうか。 そんなこんなで雷さんの出てくる昔話には「どうすれば雷が落ちなくなるだろう」という昔の人の切なる願いがこもっているものが多いんです。今回ご紹介する三島神社の雷井戸伝説もそのひとつ。 その伝説にはいくつかバリエーションがあるようです。
などなど。 とにかく、共通しているのは雷が落ちたのが「三島神社の井戸」であること。井戸に蓋をして閉じこめておいたら、雷が反省して「もうこの土地には落ちません」と約束することです。 三島神社は都内に何カ所かありますが、伝説の舞台になったのは下谷三丁目にある小さな神社です。面白い伝説が残っているわりに有名じゃないらしくて、Yahoo の地図には載ってませんでした。 それでも住所をたよりになんとか訪ねてみました。確かに小さな神社です。でも、歴史を感じさせる古いたたずまいです。鳥居をくぐって、雷さんの井戸を探しました。 雷さんが落ちてくる井戸なら、さぞ大きな井戸なんだろうと思いこんであちこち見回してみたんですけど……あらら、見あたらない。おっかしいなあ。確かにこの場所のはずなのに。 ひょっとしたら立ち入り禁止になっている神社の裏にでもあるのかと思って、社務所の呼び鈴を鳴らそうとしたら、 「はーい、こちらで承りまーす」 って、ピンク色の作務衣を着た女の人が、買い物袋を下げて小走りにやってきました。どうやら買い物に出かけて、ちょうど帰ってきたところのようです。 「あのー、雷さんを閉じこめた井戸ってどこですか?」 わたしがたずねると、女の人は「それならこちらになりますよー」と、とても愛想よく案内してくれたんですけど、案内されてびっくり、 「ありゃ、入り口にあったんですね!」 鳥居を入ってすぐのところに小さな井戸があって、ちゃんと雷井戸って書いてありました。由来を説明する札も立ってるんですけど、木の枝が茂っていて、パッと見よくわからなかったのです。 井戸は想像してたのよりずっと小さくて、形は四角。竹(を模した棒)で井桁に編んだ覆いがしてありました。 案内してくれた女性にお礼を言ってから井戸の中をのぞいて見ました。
落ち葉がたくさん積もっているのが見えましたが、そこに水があるのか、土で埋まってるのかよくわからないんです。でも由来書きによれば「現在も水を満々とたたえ」とありますから水面に落ち葉が浮いてる状態だったのかもしれません。 それでもここが雷井戸なんです。
伝説によれば、雷さんは神主と話し合って「もうこのあたりには落ちてこないから」と約束したあと、井戸から出してもらったそうです。今はこの井戸自体に何かついてるということはないのかもしれません。 でもでも!
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そもそも三島神社というのは全国にるのですが、その御本社は愛知県大三島にあって、創建したのは小千命(おちのみこと)だと伝えられています。この人は神武天皇東征のおりに、水軍をあやつって大活躍した人ですから、古くは奈良の昔から武将たちが武運を祈って三島神社に武具を奉納しました。
また、下谷(というか江戸のあちこちに)三島神社が建てられた由来は、これまた武運に関係しておりまして、弘安四年に河野氏が白鷲にみちびかれて夷狄(いてき)を成敗したおりに、夢で神のお告げをうけて武蔵国豊島郡(今の練馬あたり?)に大山祗命(おおやまつみのみこと:三島神社の御祭神)をおまつりして、それが上野や下谷にも分霊されて今日に至るようです。
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