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打出の小槌 名称
 打出の小槌
 うちでのこづち

所有者
 大黒天など福の神
 鬼

効果
 望みの品物を出す
 小さなものを大きくする

 片手で持って使う小さなハンマー。念じながら打ち下ろすと欲しいものがなんでも出てくる。また、小人を人間のサイズにするなどの願い事もかなえる。
 大黒様など、人々に幸福をもたらす福の神の持ち物だが、昔話では鬼が所有している例も多く見られる。どこからか盗んできたものかもしれない。

 打出の小槌が使用されたもっとも有名な話は『一寸法師』であろう。身長が一寸(3cm)しかない小さな若者が鬼を退治して打出の小槌を手に入れて大きくなった。
 こういった万能アイテムにはありがちな性質であるが、打出の小槌もまったくもって融通の利かない道具である。
 ある男が大黒天に祈願して打出の小槌を授かったが、馬鹿にして信じようとしない妻に、思わず小槌をふりあげて「この鼻くそめ!」と叫ぶと鼻くそになってしまう。また、良い爺さんが小槌で米と倉を出したと聞いて、悪い爺さんが小槌をふりあげて「米倉出ろ!」と叫んだところ、米と倉ではなく背の小さな盲さん(こめくら…テレビならピーだな)が出てきたという事故も報告されている。使用の際は取扱説明書を熟読の上くれぐれも慎重に。

 
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