天使な珍獣様
壱拾四 節制
 7月7日は七夕でございます。七夕の伝説といえば、知らない人はいないと思うのですが、かいつまんで書くと、こんな感じ。
 天の川の東に、織女という美しい娘が住んでいました。織女は天帝(天界で一番エライ神様)の娘ですが、機織りが上手で、年頃になっても化粧ひとつせず、一日中機織りばかりしていました。
 これでは娘がかわいそうだと思い、天帝は天の川の西に住んでいる牽牛という青年に、織女をお嫁入りさせることにしました。
 ところが、あれほど働き者だった織女は、結婚の喜びに仕事を忘れ、来る日も来る日も遊んで暮らすようになりました。
 怒った天帝は織女を連れ戻し、年に1度、7月7日の夜だけ、牽牛と会うことを許しました。
 1年間天の川にはばまれているふたりですが、七夕になると鵲(カササギ)の群が橋になって、天の川を渡してくれるのです。
 この物語を星図に当てはめると、織女はこと座のベガ、牽牛はわし座のアルタイルのことで、カササギの渡せる橋ははくちょう座のことだそうでございます。

 ところで、このお話には尾鰭がたくさんついているのでございます。
 1年にたった1日だけ会える、というのは牽牛の聞き違いで、天帝はそんなつもりなかったんだとか、1年に1度、牽牛のところへ出かける織女は、夫が1年間ためこんだ洗濯物を片づけているとか……まあ、いろいろあるみたいですの。
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 中国では、七夕祭りのことを乞巧節といって、女の子が織物や縫い物がうまくなるようにお祈りする日だそうです。「巧みになるよう乞いねがう節句」ということですかしら。
 乞巧節について、このページに、ちょっと面白い風習が書いてありましたことよ。
◎ぽんずのページ
 http://www8.tok2.com/home/pengzi/saijiki/zgqiqiaojie.htm(りんくぎれ)
 7月7日に、水をはったお椀を日の当たるところに置いて、縫い針を水面に浮かべ、針に反射して水底にゆらめく光を見て、針仕事が上手になるかどうか占うのだそうです。
 このページにも書いてありますが、台湾では七夕のことを情人節といって、ヴァレンタインデーのような恋人同士のお祭りにしているらしいです。

 新暦の 7月7日はもう過ぎちゃったけど、旧暦ならこれからなのよ。今年の旧七夕は 8月25日です。

掲示板のログより
日本と中国の七夕伝説
 

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