#食材 ヤブカンゾウ(沖縄口:くわんそー)

IMG_0535s 若菜摘む季節の到来。庭(?)に植えてあるヤブカンゾウを収穫しました。

IMG_0496s ▲ヤブカンゾウ。数年前に園芸店で球根を買って植えたもの。地植えにしておけば世話をしなくても勝手に増える。若葉のうちに摘み取って食べられる。沖縄でクワンソー(カンソー)と呼んでいる野菜はヤブカンゾウかノカンゾウの若葉。中国野菜の金針菜はヤブカンゾウ、ノカンゾウ、シナカンゾウあたりの蕾を乾燥させたもの。

IMG_0498s IMG_0533s
▲左の写真のように根元からはさみで切って収穫する。三日くらいすると右の写真のように葉が出てちゃんと育つ。花も咲くし、来年また収穫できる。


 ヤブカンゾウやノカンゾウの葉は、ぱっと見ると硬いんじゃないかと思うのですが、茹でるとやわらかくなり、食感はニラに似てます。ニラは香りがありますが、ヤブカンゾウ・ノカンゾウは香りがほとんどありません。

 園芸店で買う植物は、たまにラベルが間違ってることもあるので、野草の見分けに慣れていない人は、最初の年は(どうせ沢山は生えてこないので)見送ったほうがいいですよ。どんな植物でも花が咲くと見分けやすくなりますから、確かにヤブカンゾウやノカンゾウなど食べられるものだと判断できてから食べてください。基本です。どんな花が咲くかはネットで検索すればいくらでも見られます。

 それから重要なのは、見分けのつきにくい似た植物は近くに植えないこと。たとえばスイセンなんか一緒に生えてたら収穫時に混ざるかもしれないんですが、スイセンは毒ですから注意しましょう。

IMG_0535s ▲奥左:酢味噌和え、奥右:胡麻和え、手前:エゴマ油和え

【酢味噌和え】
1. 味噌・酢・砂糖をまぜる。
2. 茹でてよくしぼった野菜を1で和える。

【胡麻和え】
1. 白ゴマを炒ってすり鉢ですり、砂糖と醤油を混ぜる。
2. 茹でてよくしぼった野菜を1で和える。
 
【エゴマ油和え】
1. エゴマ油に塩少々を加える。
2. 茹でてよくしぼった野菜を1で和える。

 分量はいつも適当なのでよくわかんないですけど、砂糖は多めに入れて良くて、酢や塩は少なめがいいと、自分では思ってます。普通の基準もないのに多めだの少なめだの言っても意味ないですけど、気持ちです、気持ち。そういう気持ちで(笑)

 何和えにする場合でも野菜はよくしぼっておくのがコツです。しぼらないと水っぽくなってしまいます。今回はヤブカンゾウの葉を和えてますが、ホウレンソウ、菜の花、モヤシなど、いろんな野菜に応用できます。


 エゴマ油は左の画像のようなものを使っています(画像は楽天市場へのリンクになってます)。これは韓国のメーカーのものですが、日本のメーカーからも出てないこともないです。オメガ3脂肪酸が健康にいいとかなんとかで流行ってますからね。

 ただ、街角のスーパーで手に入れやすい日本のエゴマ油は透明に精製してあるものが多いみたい。以前買ったことがあるのですが、エゴマの風味が少なくて面白くもなんともなかったです(メーカーにもよるとは思いますが)。それで韓国食材店で韓国産を買うことにしています。

 エゴマの葉には鮮烈な香りがあるのですが、油になっちゃうとそれほどでもないです(少し香ります)。塩のうま味を引き立てて野菜を美味しくする油です。けっこうデリケートなので、開封して時間がたつと風味が落ちてきます。光のささない涼しい場所に保管して、ケチらずいろんな料理に使ったほうがいいです。加熱しても美味しくないのでサラダとあえものがおすすめ。ドレッシングを自分で作る人など、サラダ油のかわりにエゴマ油を使うといいですよ。

 エゴマは胡麻(ごま)ではなくて、シソの変種(きわめて近い植物)です。シソ油という名前で売られてることもあります。日本で食べてる青じそと見た目がそっくりですが、香りや味はエゴマの葉ほうが鮮烈です。

 エゴマは葉を食べるほか、種から油をとり、種自体も炒ってすりつぶして使います。名前だけでなく使われ方も胡麻に似ているので、胡麻とごっちゃにして同じものだと思い込んでる人は多いです。しかし胡麻油とは香りがぜんぜん違う別のもの。韓国語だとエゴマ油はトゥルギルム(野の油)と言うので、韓国食材店で話が通じない時にはチャンギルム(真の油、胡麻油)じゃなくてトゥル(野)のほうだよって言ってみるといいかもしれないです。

 まあ、胡麻油+塩で野菜を和えても美味しいです。別の料理になりますけど。


IMG_0495s
▲庭みたいなところでとれた菜の花(左)とヤブカンゾウ(右)。菜の花は開花する前のほうが美味しいですが、自家用なのでかまわずむしりとって食べてます。

 菜の花が終わったら苦瓜の種をまいて、夏は「もう見たくない」って思うくらい苦瓜を食べます。ほんとはヘチマも(もちろん食用として)育てたいのですが、苦瓜が強くてヘチマは育たないことが多いです。隙間でこっそりやっているので狭いんです。その隙間栽培の野菜に昆虫もたくさん来るので収穫できるものは虫食いだらけ。しかしわたしは虫好きなので、一石二鳥。

 ベランダではプランターにミントやエゴマを植えて、ミントはお茶やモヒートに、エゴマの葉はキムチにして、なんだかんだと食費を浮かせています。

カテゴリー: 珍食 タグ: パーマリンク
avatar

珍獣ららむ〜 の紹介

特技はおりがみとお蚕の飼育と世の中の役にたたないこと全般です。養蚕が普通の仕事だったらニートでヒキコモリの体質から脱出できそうな悪寒がします。DQ10はほぼ引退しました…だってストーリーが完全にソロゲーなんだもの。/ちなみにわたしが珍獣を名乗っているのは1999年からで、イモトよりも古いです。ワンピースは知らん。イモトですねって聞かれるとあっちがマネだと答えたくなる。 twitter などでは chinjuh です。

#食材 ヤブカンゾウ(沖縄口:くわんそー) への2件のフィードバック

  1. ナシウリ のコメント:

     ヤブカンゾウで調べていたら珍獣さんのサイトへ 10数年前にみてました 猫のゲームなんかもやったっけ ナシウリの種が欲しくて飯田さんを紹介してくれました ヤブカンゾウも欲しくて、小岩菖蒲園あたりに自生してそうなので近々行ってきます

    • 珍獣ららむ〜 のコメント:

      こんにちは! ナシウリの方ですか。お久しぶりです。最近twitterに居着いていてブログをろくに見てなくてすみません。ナシウリは育ちましたか? あれ美味しいですよね。いろんなところで買えるといいんですけど。
      ヤブカンゾウならうちの庭みたいなところにもあるかもしれないけれど、最近放置してるのでもうないかもしれないなあ。小岩菖蒲園のほうが確実かもしれないです。健闘を祈ります!

ナシウリ にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>