▲狩宿(かりやど)の下馬桜:日本五大桜(国の天然記念物)のひとつ。源頼朝が富士の巻狩の際に、ここで馬から降りたと言われているので下馬桜。その時点からあるなら樹齢は800年を越えているはず。
ただ、実際見に行くと小さくて、あれ?って感じ。
▲人と比較するとこんな感じ(写ってる人は全然知らない人です…)。
▲後ろから見るとこんな感じで、枝ぶりは味があるものの太くはないんですよね。
実は、大正時代あたりの絵を見ると、もっと太くて巨大な木だったんだそうです。台風などにやられて太かった幹が折れたか腐ったか、とにかくダメになってしまったそうで、今は同じ木の脇芽らしきものが育ってこの状態になってるそうです。
ちょうど散り始めている上に葉が出ているので、見に来る人たちが口々に「もう終わりかけ?」みたいに言うのですが…
葉が出てるのは、そういう種類の桜だからだと思います。正式な和名をアカメシロバヤマザクラというそうです。山桜系だと花と同時に葉がでてきます。確かに散ってましたから満開から1日くらいは経過してそうでしたけど、終わりかけっていうほどでもなかったです。さすがに今日(14日)あたりは、もう寂しくなってるかもしれないですね。
狩宿の下馬桜、場所は静岡県富士宮市内で、市街地から離れた田園風景の中にあります。まわりは農地ですぐ近くに井出家の屋敷だった江戸時代の建物があるだけで商店などはなさそうです。桜の時期だけまわりに食べ物やお土産物の屋台ができて、駐車場(無料)も一応ありますが、それほど広くはないのでピーク時は止められないかもしれません。
わたしは毎年一緒に桜を見に行くともだちの車で出かけました。空いていれば葛飾区内から高速道路を使って3時間たらずで到着します。朝6時頃、加平ICから乗ったら、現地に9時前に着いてました。朝早かったので駐車場には普通に止められたし、花もゆっくり見られました。木のまわりはいちおう整備されていますが、これまた広くはないので、ものすごく混雑してる時は桜より人を見てる感じになるかもしれません(桜小さいしね)。
◆富士の巻狩とは
巻狩(まきがり)というのは、獲物などを大勢でかこいこんで射止めることで、たぶん戦の練習的な意味合いもあったんじゃないかと思います。源頼朝の「富士の巻狩」が有名なのは、曽我兄弟仇討(あだうち)の話がからんでいるからです。
昔、伊東祐親という人がいて、甥の工藤祐経に恨まれて殺されてしまいました。伊東には幼い息子がいて、曽我家の養子として育ちましたが、父と死別してから十八年間、いつか仇を討とうと心に決めていました。
ある時、源頼朝が富士山麓で巻狩を行うことになりました。そこに父の仇である工藤祐経が参加すると聞いて、夜遅く宿に忍び込んで仇をつかまえて殺してしまいました。
騒ぎをききつけた家来たちも一緒に斬り殺しながら逃げ回りますが、兄のほうは捕まってその場で殺されてしまいます。弟は頼朝が宿泊していた屋敷に押し入って暴れているところを捉えられます。
話を聞けば、十八年も思い続けた仇討ちを果たしたわけで、頼朝としては許してやろうとも考えたらしいのですが、討たれた工藤にも子供がいて、処罰を嘆願するので無視できず、弟のほうも斬首されたということです。
下馬桜がそもそも巻狩の際に源頼朝が馬から下りた場所だっていうのは書きましたが、狩宿という地名も頼朝が巻狩のために立てた仮の屋敷(仮宿→狩宿)があった場所に由来しているらしいですよ。ソース>静岡県民も知らない地名の謎(google ブックス)
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これはまだ見に行ったことがないです。咲いてる時期に岐阜まで行かなきゃいけないので、東京からだと難易度が高いです。
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