砺波市で泊まったネットカフェはアプレシオという、やや高級店舗です。東京にもあるので会員カードは持ってたんですが、期限切れなので更新に300円かかるとか言われ、一瞬えっ、と思うけど、まあいいかって払いました。ネットカフェで更新料をとる店はほかにあるのかな。でもなんていうか、その分どの支店に入ってもほかよりややきれいなので、そのくらいとられても文句ないかも。どうでもいいけど今回の旅で読んでる漫画は『モリのアサガオ』という死刑囚と刑務官の話。アニメにもなったんでしたっけ?結局読みきらなかったので次の旅で読破するぞー。
5月6日朝、近くの吉野家で朝食。旨辛カレー並350円+みそ汁(クーポンで)60円也。山道を白川郷へ向かいました。
ここに来るまで知らなかったのですが、世界遺産になった合掌造り集落は、白川郷だけでなく五箇山も含まれていて、富山県と岐阜県をまたく広い範囲に点在しているんですね?途中何ヶ所か、見学できる場所があったので立ち寄りました。
▲五箇山(富山県)のどこ?相倉(あいのくら)合掌集落かなあ。ちょっと記憶があいまいなんですが、ゆるい棚田と合掌造りの建物が、なかなかいい感じです。小さな集落で、特別何があるってものでもなく、土産物屋と宿泊施設があるようです。駐車場は有料で1日500円。
遠くに見える雪をかぶった山は人形山(にんぎょうざん)と言って、毎年春になると人の形の残雪が見えると言われています。
昔、ふたりの姉妹が白山権現に母親の病平癒を祈願したところ、湯治に行くようお告げがあった。母親がすっかり良くなったので、姉妹は山の権現社にお礼参りに出かけたが、突然の吹雪にみまわれて、それっきり帰ってこなかった。翌年の春に、村人たちが山を見ると、山肌に手をとりあった姉妹の形に雪が残っていた。以来、誰言うとなくこの山を「ひとかた」と言い、いつしか人形山と呼ばれるようになった。
そんな昔話が集落内の案内板に書いてありました。季節がまだ早いのか、人型の残雪は確認できませんでした。
▲天狗の足跡と呼ばれる岩。足の形に凹んでるのがわかるでしょうか。
それからまた車で移動。途中にいくつも合掌造り集落があるようでしたが、ひとつずつ見ていると時間がかかるので、白川郷(岐阜県)までまっすぐ行くことにしました。
白川郷は、昼間は集落内に車では立ち入れないのですが、川の向こうに大きな駐車場があります。1日500円。つり橋を渡って合掌造り集落へ。
▲この川を挟んで、写真だと右側が駐車場と建物園のようなものがあって、左側に合掌造り集落があります。
▲合掌造り集落。なるべく人のいないそれっぽいところを写してみました。連休で人が多かったせいもあるのですが、白川郷ってなんかイマイチで、個人的にはあんまり面白くなかったです。なんというか、もっと普通に人が暮らしているのかなあと思ってたんですけど、どの建物もすごくフツーの民芸品売り場と旅館ばっかりで、それ以外だとアイスクリームとか売ってる売店だったりして、ぶっちゃけ普通の観光地でした。
うろおぼえなので、白川郷に求めるのが間違ってたら申し訳ないんですが、飛騨のこのへんって確かいろいろ面白い歴史や文化があって、火薬の原料になる塩硝を民家の床下みたいなところで作ってたって聞くんですよねえ。しかも、場所によっては精製にお蚕の糞を使ったとかなんとか(お蚕は五箇山だったかなあ)。すみません、かんぜんにうろ覚えです。わたしとしては、そういう歴史を現地まで来たらかいま見えるんじゃないかと思ったんですけど、別に?って感じでした。いくつかの古民家は中を見学できるので、ひょっとしたら入ってみると何か面白かったかもしれないんですが、人多すぎで大変そうだったので見るのはやめました。
▲白川郷で買って食べたアイスクリーム。どぶろく入りとかだったと思います。お酒の香りは遠くかすかにするかもしれないし、しないかもしれない感じです。美味しかったですよ。
そうそう、そう言えばここいらへんのどっかに、千鳥格子のお堂があるって聞いたような気がします。千鳥格子というのは木の格子戸のことなんですが、まるで糸を平織りにしたように互い違いに交差してるように見える不思議な木製の格子です。詳しくは、以前別の記事に書いたので読んでみてください。
◎飛騨高山で買った千鳥格子製作キット
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1250
このキットを購入した時、飛騨の職人さんが目の前で格子造りを実演していたんですが、飛騨の各地に千鳥格子のお堂があるのに長いこと作り方がわからなかったって言ってました。文化財なので分解してみることもできず、作り方を解明するのは大変だったと。
いつか本物を見たいものだと思っていたので、ここらにないか調べました。有名なのは高山市のどっかの道端にあるらしいんですけど、検索してみたら白川郷の野外博物館合掌造り民家園ってところにも旧鳩谷八幡神社の千鳥格子があると、岐阜女子大学のサイトに書いてあります。ああ、それなら駐車場の横にあった建物園みたいなやつのことだと思い、入り口まで行ったんですけど、見学は有料。もちろん、見たいものがあるなら払うんですけど、なかったらガッカリするので予め聞いてみました。
すると、受け付けのおじさまが「千鳥格子? それなら高山だよ」とバッサリ一言。あ、うん、それは知ってるんだけど、ここにもあるとネットに情報が…もごもご。「ネットにはどういうふうに書いてあるの?」と聞き返されてしまい、もうなんかどうでもよくなって入らずに帰りました。そりゃわたしだって素人さんのブログとかの情報なら、勘違いに基づいてる可能性とかもあるので強く言いませんけど、ネタ元が大学のサイト。たぶんあるので入ってもよかったんですけど、現地の人がここにはないよって言うので、もう仕方ないよね(笑)
そんなこんなで、初めての白川郷はイマイチでした。わざわざ富山で一泊したのになんてこったい。もしかすると合掌造りの宿にでも宿泊すると、また違うのかもしれないですね。そりゃもう、チャンスがあれば古民家には泊まってみたいです。
これで目的は果たしたので帰る方向に車移動です。精神的に疲れたので、すごく時間がたったような気がしてたんですが、写真のタイムスタンプを見ると、白川郷を出たのがお昼前?案外早かったです(何も見なかったからねえ)。
高山市方面に走っていると「荘川桜」という看板があったので立ち寄りました。なんでも、昭和35年、このあたりの村だか町だかがダム湖に沈んだ時に、あるお寺にあった桜の古木を沈まない場所に植え替えたんだそうです。種類はアズマヒガンザクラだそうです。 ▲この2本の巨木が荘川桜。こうして見ると咲いてないように見えるんですが…
▲すこし散りかけですが、まだ花は咲いてました(ちなみに2015年5月6日撮影)。
あ、すっかり書きわすれてましたが、長野県〜岐阜県あたりは標高の高いところが多いので、桜の季節が5月に入ってからだったりするんですよ。ソメイヨシノとは違う種類の、その土地の桜なんですが、ちょうど花盛りの場所もあれば、散ったばかりのところもありました。
荘川桜も、ちょうど桜まつり開催中らしく、近隣の蕎麦屋さんなどが、五平餅の屋台を出してました。屋台のおじさんに「一番咲いてたのは何日ごろですか?」って聞いたら「5月に入ってすぐくらいかなあ」ってあいまいなこと言ってました。花の時期って、以外とみんなハッキリ覚えてないものなんですよね(笑)今年は気候が悪かったのか、花芽のつきかたが悪くて、あんまり咲かなかったとも言ってました。
▲五平餅。それぞれ別の屋台で買ったもので、ついてるタレが違うんですけど、白川郷で気が抜けたらしくて記憶があいまいです。片方が味噌で、片方がエゴマだかクルミだか、そんなんだったと思うんですけど。どっちも美味しかったです。
荘川桜を見たのが12時半〜13時ごろ。さらに車で移動。調べてみたら、高山市の文化財になっている千鳥格子の地蔵堂が立ち寄れそうな場所にあるとのことで、せっかくなので寄ってみることにしました。
これがまた、ちょっと一悶着あるんですよ。地図などで調べると「くるまーと六厩」という場所にあるらしいんです。こんな名前がついてたらドライブインかなにかを想像して、そういう建物を探しながら走っちゃうんですが、なんのことはない、ただの公園でした(えー)。
しかも、最初に目につくのは御堂じゃなくて立派な公衆トイレ。公衆トイレが真ん中にどーんと立ってて、その影にこっそり有形民俗文化財の御堂があります。どんな扱いなんだよ…
▲これが高山市指定・有形民俗文化財の千鳥格子の御堂。正確にいうと、写真に写っているのは千鳥格子の御堂を保護するための鞘堂(さやどう)です。公衆便所が写らないように撮影したんですが、実は手前に便所があります。
▲鞘堂に近づいてみました。鞘堂の格子は普通の格子で、千鳥ではありません。中にもうひとつ、小さな御堂があるのがわかるでしょうか。
▲これが千鳥格子の御堂です。鞘堂の格子の隙間から写しました。平織りの糸のように、互い違いに交差しているように見えるのがわかりますか? これが千鳥格子です。おお、ほんものだー。でも、格子だけ新しいような気がするので、再現してはめなおしたのかもしれないですね。
千鳥格子の御堂を見たのが13時半ごろ。そこからはひたすら長野県方面を目指します。来た時と同じく安房峠のトンネルを越えて、長野県の塩尻に着いたのが16時半ごろ。結局この日もまともにお昼を食べていないので、塩尻名物の山賊焼きを食べることにしました。
▲こんな看板の店です。山賊というのはこの店の名前でもあります。山賊焼きというのは鶏肉を醤油やニンニクで味付けして、竜田揚げみたいにしたものなんですが、長野県のあちこちで名物になっていて、元祖とされる店にも諸説あるみたい。塩尻ではこの店が元祖ってことになってます。
有名な店なので、店の前には開店前から車がとまってて、店自体は写せませんでした。御店で食べる人もいるんですが、テイクアウトする人も多いみたい。最近よく聞くローカルフードは、町おこしのために作ったものもありますが、この店は戦前から山賊焼きを作ってたらしいです。
この店に昔から買いに来てるという年配のお客さんが「昔は新聞紙につつんで渡してくれたよ。帰るまでに新聞紙が油ですごくてね」「あの頃は山賊焼きを買ったら中瓶くらいのビールがタダでついてきた」と言ってました。ビール無料とかものすごいサービスをやってた時代があるもんだなあとその場ではみんなで感心したんですが、どうも話が違ってて、物がなくて鶏肉が珍しかった頃に、ビールを注文した人だけが山賊焼きを注文できたとか、そんなことらしいです(ネット情報なのであいまいな話ですが)。
▲山賊焼き定食Aセット、だったかなあ。AとBがあって、肉のサイズが違うんです。セットは半モツ煮が付きます。Aセットだったら1593円。肉はとりもも肉で、骨が一部残してあります(紙で包まれてるところが足の骨)。
初めての店で、量がわからず、ともだちとふたりで同じものを頼んでしまいました。これがとんでもないボリュームでビックリですよ。これならひとりは馬刺し定食にして分け合えばよかったかな、とも思ったんですが、でも食べ始めると美味しくて、なんだか夢中になって平らげました。ほんとに山賊にでもなったような気分。
▲この緑の物体は山雅ビール 530円。こういうビールがあるんじゃなくて、カクテルだそうです。強烈なメントール臭がするのでミントリキュールが入ってそう。色はもしかするとブルーキュラソーか、ブルーハワイシロップかなんかでつけてあるかも。Jリーグのチーム、松本山雅を応援するために、チームカラーの緑色なんだとか。
満腹になったところで上諏訪に移動。到着したのは19時ごろ。片倉館で温泉に入りました。ここは昭和三年に地元の製糸業者の片倉家が市民の保養のために建てた温泉施設です。建物自体が文化財かなんからしいです。
駅から近くて、諏訪湖沿いの景色のいいところにあるんですが、あまりにも立派な建物なので温泉施設には見えません。前を通っても気付かない人が多いかもね。でも、ふつうに誰でも入れる公衆浴場です。大人650円(平日の夕方だと割引制度あり)。でも、なんか内緒にしておきたいですね、こういうとこって。あんまり有名にならないように、長文を読んでくれた人だけこっそり心にしまっといてください(笑)
ここの素敵なところは、浴槽が深いこと。水深1メートルくらいあるので立っても胸までお湯に漬かります。プールみたい(泳ぐのは禁止)。たぶんヨーロッパの温泉治療施設みたいに作ったんじゃないかと想像します。水底には玉砂利が敷いてあるので歩くと気持ちがいいです。千人風呂と呼ばれるくらい広いので、空いてる時ならゆっくり歩くのは多分大丈夫。座る場所があるので肩まで浸かることも可能。この深さはいいですね。開放的で気持ちがいい。
これでゴールデンウィークの旅行記、善光寺にはじまり、松本城で虹を見て、飛騨高山で大金持ちバンザーイな気分になったり、超能力について考えたりして、なぜか富山県で宿泊、白川郷にがっかりして、塩尻で山賊、上諏訪で温泉の盛りだくさんの旅は終わりです。帰りは中央自動車道を使いましたが、いつになく道が空いてて日付が変わる前に葛飾区内に着いたと思います。
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