▲厚紙で作った簇(まぶし or ぞく)に、きれいに繭になった小石丸。ふつう、こういった蔟は奥行きが浅く、間口を広くして作るんですが、今回は発想をかえて奥行きを深く、間口を狭くしてみました。特に問題ないです。そりゃそうですよね、トイレットペーパーの芯にだって喜んで繭を作るんですから(笑)
▲蔟から繭をはずしました。写真ではあまり大きさが伝わらないんですが、小石丸の繭はすごく小さいです。小石丸は初めてやったんですが、こんな小さいんだって驚きました。繭が小さいということは、糸もそれほど取れないってことです。産業的には儲けがイマイチなので、一時は飼う人がほとんどいなかったみたい。
ところが皇居の御養蚕所には昔からいたらしいんですよね。小石丸はもうやめましょうかって話が出た時に、美智子様が「古いものも残しておきましょう」って飼い続けていたそうです。
正倉院の絹製品を復元する時、お蚕の品種も昔のものを使おうってことになりました。一口に蚕といっても、実は品種によって糸の太さなどが違ってます。昔の材料、昔の技術で復元するには、古い品種を使う必要があります。そこで、御養蚕所の小石丸を増やして使うことにしたそうです。
それが話題になって、小石丸をやる人が増えたらしいんですけど、やっぱり産業的にはビミョーらしくて、新小石丸という改良品種も作られました。新小石丸はわたしも以前飼ってみましたが、小石丸に比べるとだいぶ大きな繭を作ります。
▲一部の繭をあけて、交尾用に取り分けました。蛹の尻を見ると、オスとメスは見分けがつきます。
と、これを書いてるうちにいくつか羽化して蛾になりましたよ。しかし、わたしがだんだん眠くなってきたので今日はこのへんで。
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いつも 楽しく 読んでます。小石丸の繭、出殻繭の写真をアップできますか?
塚原さん、こんにちは。小石丸の出殻繭の写真は持っていないです。