もし、その卵が非休眠卵で、すぐに孵化してしまう卵ならば、乳白色のまま数日間色が変わらず、5〜6日目に突然ふっと黒っぽくなったかと思うといきなり孵化が始まります。
でも、休眠卵といって冬を越さないと生まれてこない卵ならば、翌日には色が茶色く変わり始めます。
▲2日以上たった卵。黒くなってる。こういう変化をする卵は、冬を越さないと生まれてきません。なお、この写真で乳白色のまま残っている卵は無精卵です。無精卵はいつまでたっても孵化しません。
お蚕は、品種により、1年に1度しか孵化しないものと、1年に2度、3度と孵化する二化性(にかせい)・多化性(たかせい)の品種があります。
日本在来の品種は一化性のものがほとんどで、小石丸も琉球多蚕繭も、みんな休眠卵を産みました。この卵は、このままほうっておくと来年の春まで孵化しません。
でも、産業としてやっていくなら、1年にたった1回しか育てられないのでは効率が悪いですから、眠っている卵を目覚めさせる方法もありまして、そういうのを人工孵化とかいいます。
やり方はたしか、塩酸を薄めた溶液に卵を浸して温度管理をするんですが、うまくできるといつでも好きな時に孵化させることができるらしいです。業者から卵を注文すると、いつでも都合のいい日にあわせて送ってくれるのは、人工孵化技術のおかげ。
しかしこの人工孵化は手順が複雑で、自分でちゃんとやろうとすると趣味でマッタリ飼うレベルを超えるような気がします。
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