東北旅行2015夏:釜石大観音

IMG_2329s 東北旅行です。とうとう目的地の釜石に到着しました。何を見るのかって? もちろん大観音ですよ! わたしは全国の大観音を見て歩いているのでーす。

これまでに回った観音様と大仏さんのリストです。

◎関連記事:バブル大仏大観音(記事リスト)
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?plugin…
 古いブログに書いた観音様と大仏さんの訪問記。淡路島、会津村、仙台、船岡……西へ東へいろいろまわってます。

◎関連記事:大仏大観音(記事リスト)
http://www.chinjuh.mydns.jp/wp/tag/%E5%A4%A7%E4%BB%8F%E5%A4%A7%E8%A6%B3%E9%9F%B3
 今のブログになってからの観音様&大仏さん訪問記。布袋の大仏さんなど。


 陸前高田で昼食をとったわたしたちは、今度という今度は寄り道しないぞと決意して、さらに北上を続けました。目的地は釜石大観音です。釜石市内に着いたのが15時過ぎ。観音様を見たら日が暮れちゃうと思うけど、どうにか間に合いました。もう1時間早くついたら近くにある鉄の歴史館も見られたんですけど今回は観音様だけであきらめます。

IMG_2273s ▲釜石大観音:無料駐車場から見る後ろ姿。ここからだと距離がありそう。

IMG_2274s ▲全景図:この昭和感がたまらない。この絵でPと書いてある駐車場は近くていいのですが有料でした。

IMG_2275s ▲階段を上りながら写した山門:立派な木造の仁王さんがいますが、ガラスで反射してどうやっても写真には写りませんでした。海辺なので保護しないと潮風で傷むんだと思います。

IMG_2278s ▲エスカレーター:拝観料(大人500円)を払って先に進むと、こんなエスカレーターがあって……

IMG_2281s  エスカレーターの先でさらに階段。山の上にあるので仕方ありません。六根清浄がんばります。

 釜石の観音様は、なぜか小さく見えるんですが高さは 48.5m あるそうです。台座を含めてなのか、観音様だけでなのか、そこらへんはよくわかりません。数字だけ見ると高崎の白衣大観音よりちょっと大きいですね。

DSCF0252s  観音様の足下まで来ました。やっとお顔が見える。手に持っているのは魚。魚籃観音(ぎょらんかんのん)ですね。

 魚籃観音は、魚を売る娘の姿をしています。観音様は変幻自在です。必要とされる時に、必要な姿で現れます。今から千数百年前、中国がまだ唐と呼ばれていた頃。ある町に美しい魚売りの娘がいました。あまりに美しいので、あらゆる若者が結婚を申し込みますが、娘は首を縦には振らず「観音経・金剛経・法華経をそらんじることができたら結婚してもいいわ」と言いました。

 それを聞いて多くの若者はあきらめて去って行きました。しかしある日、とうとう三つのお経を暗誦する者が現れました。娘は約束通りその男と結婚しますが、まもなく死んでしまいました。

 やがて人々は、その娘を観音様の化身だと考えるようになりました。観音様がこの町の者に仏の道を教えるために娘の姿で現れたに違いありません。その娘の姿をかたどったのが魚籃観音です。

 ……というのが、日本で知られている魚籃観音のお話です。中国で生まれた伝説だと言われています。ただ、舞台が中国だからって、中国で発生した伝説とは限らないわけで、ほんとにこの話、中国で知られてるんでしょうか。すっごく気になります。 #これ書きながら検索してみたら、けっこう長い文章がヒットしたのであとで解読してみます。
# 結論を言うと中国発祥であってるようです。下記ページにまとめました↓
http://www.chinjuh.mydns.jp/wp/20150909p2718

 それはさておき、釜石大観音ですよ。観音様の胎内に入ることができます。中には三十三観音や七福神の像があるらしいですよ。

IMG_2283s ▲入り口にあるミニチュア(というか、原型かもしれない)

IMG_2284s ▲弁財天

IMG_2289s ▲三十三観音を安置したフロア

 これらの仏像は、釜石大観音をデザインした長谷川昴さんという彫刻家の作品だそうです。円空のように一本の木を鉈で彫ったもので、素朴な色気があって、なんとなくあたたかくて、なんだろうこれ、ちょっと萌えるかも。

IMG_2331s ▲螺旋階段:中心に柱があって、そのまわりを階段でぐるぐる上っていきます。観音様の皮膚(コンクリだけどね)のすぐ内側に階段があるのだと想像すると少しドキドキしてこない? 小さな看板に「この魚籃展望台は海抜120メートルの高さにあります」と書いてあります。

IMG_2330s ▲螺旋階段:観音様の体の形にあわせて階段の幅が変わります。ここはどこらへんだろう。腰のくびれかなあ。

IMG_2327s ▲魚籃展望台:階段を170段ほど上るとこんなところに出ました。ここはどこ?

IMG_2329s ▲見上げて撮影:うわっ、巨乳の下だ−。わたしは今、お魚とおっぱいに挟まれています……!

IMG_2326s ▲眼下に広がる釜石湾

DSCF0253s▲魚籃展望台:外から見るとこんな感じです。魚籃(ぎょらん・魚の籃という意味)展望台とはよく言ったものですね。参拝者は完全にかごの中。生魚と生チチにはさまれて極楽往生間違いなし?

IMG_2344s ▲仏舎利塔:観音様の足下にあります。スリランカのケラニヤ精舎から敬贈されたという仏舎利(仏陀の遺骨)が納められています。ここも見学できます。中には仏陀の生涯を描いた絵画や、各宗派の開祖の像などが安置されていました。

 というわけで、釜石大観音、面白かった−。遠くてなかなか来られないけど、また来られるといいなあ。

◎釜石大観音(公式)
http://www.kamaishi-daikannon.com/


 最初に書いたとおり、わたしは大観音めぐりをしています。

 でも、なんで巨大観音(たまに大仏さんも入ってるけど)が好きなのか、自分でもよくわかんないんですよね。

 わたしは群馬育ちで、群馬には高崎に白衣観音という大観音があります。群馬の人は、たぶん高崎の観音様が好きだと思います。群馬で育った子供なら必ず読み札を覚える上毛かるたにも「白衣観音慈悲の御手(びゃくえかんのんじひのみて)」という札があるし、遠足コースに観音様を入れる小学校も多いはずです。

 ごく普通に存在するものなので、他県にこういった大観音があるとか、ないとか、そいうことを考えずに大人になってしまう人も多いんじゃないかと思います。というか、わたしはあまり深く考えずに大人になりました。

 ある時、テレビを見ていたら、バブル景気の頃に日本全国に大観音ができたが、観光的にはイマイチで、バブル崩壊とともにお荷物になりつつある、と報じていました。これにはしばし呆然。

「大観音って全国にあるんだ!」
「あ、いや、バブルの前には全国にはなかったってことなの? 高崎は特別だったのか。そういえばお隣の埼玉にはなさそうだけど」
「ってか、ちょっと待った。お荷物って何さ。観音様だぞ。崇拝の対象じゃないのか?!」

 ……というような、驚きなのか怒りなのか、よくわからないさまざまな思いが去来して、チャンスがあったら日本全国見て歩きたいものだと思いました。思っただけで実現するとも思わなかったのですが。

 しかし、不思議なもので、そう思い立ったとたんに行く先々で観音様がわたしを手招きなさる。おともだちと車で旅行中に突然見つけるとか、電車の窓から見えるとか、次にどこへ行くか考えなくても観音様のほうから「ここにいるわよ、いらっしゃいな」とおおせになるのです。……まあ、通りがかりに見えるような場所でないと誰も来ないので当たり前かもしれませんが。

 釜石大観音もそうでした。ある日、図書館のリサイクルコーナー(いらない本を置いとくと、欲しい人が拾って行く場所)を見ていたら、何十年か前の古い旅行ガイドがあって、何気なく手にとったら釜石大観音の広告が掲載されてました。本当に偶然。この本が捨てられてなかったら、今も存在を知らないかも。

 本はバブル景気なんかよりもっと前に出版されたものです。そんな前からあった大観音なのに、存在をぜんぜん知らなかった。ってことは、群馬じゃ誰でも知ってる高崎の観音様も、他県では知られてなかったりするんだろうか? ブラジルなんて遠い国のキリスト像の存在はみんな知ってるのに(世界遺産だからな)、国内にある観音様は知られてないなんて、意味わかんない。

 そんなこんなで釜石大観音が脳内の「次に行くリスト」に追加されたというわけです。追加されてもすぐ行けるとは限りません。行けそうになったら行くという、ゆるい予定です。そうこうしている間に震災があって、原発がドカンってなったり、津波がやってきたり、いろいろありました。

 もしかすると、そうなった今だからこそ見に来なさいと観音様が呼んでくれたのかもしれませんが、震災前の様子も見たかったですよ?

カテゴリー: 旅行, 車の旅 タグ: , , , , パーマリンク
avatar

珍獣ららむ〜 の紹介

特技はおりがみとお蚕の飼育と世の中の役にたたないこと全般です。養蚕が普通の仕事だったらニートでヒキコモリの体質から脱出できそうな悪寒がします。DQ10はほぼ引退しました…だってストーリーが完全にソロゲーなんだもの。/ちなみにわたしが珍獣を名乗っているのは1999年からで、イモトよりも古いです。ワンピースは知らん。イモトですねって聞かれるとあっちがマネだと答えたくなる。 twitter などでは chinjuh です。

東北旅行2015夏:釜石大観音 への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 東北旅行2015夏:こんなルートで回りました | 超・珍獣様のいろいろ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>