これがハワイ人が昔から伝承している秋の星座、カルペアカヴェロ(カヴェロの凧)です。この丸い円は地平線だと思ってください。円の真ん中に自分が立っていて、空全体を見上げた状態です。
北はカシオペア座とケフェウス座、ペガスス座を通って、くじら座やみなみのうお座を通って、最後はエリダヌス座の端っこに繋がっちゃってるの。こんな大きな星座、いっぺんに視野に入らなくて、首を北から南へぐるっと回さないと見渡せない。とんでもなく大きな星座だと思わない?!
こういうのがハワイには春夏秋冬の四種類あるそうです。船乗りたちは、夕暮れから夜明けまで、四つの星座のうち三つを使って航海するのだとか(残り一つは朝になってしまうので見えない)。
考えてみて。こんな星座を伝承するには、どれだけ広い空が必要か。なーんにもない、地平線か水平線しか見えないようなところじゃないと、こんなの思いつかないんじゃない?
ハワイの星座(英語でスターラインと呼ばれてるそうです)について、初めて知ったのは「ハワイ、海と星と ―レイ・ホークー、ヘ・ピリアロハ―」葛飾区のプラネタリウム番組なんだけど、これがねえ、いいのよ。すごくいい。
ハワイの美しい風景と素敵な音楽をまじえながらハワイの星空を解説する番組ですが、ドーム全体に投映される壮大なスターラインを見ていると、自分がまるで、小船に乗って海の真ん中にいるような気分になります。それがね、素敵とかロマンチックとかじゃなくて「心細い」のよ。
わかります? 海のど真ん中。どこにも陸が見えないのよ? 街明かりとか灯台とか、そんなのぜんぜんなくて、まわりは海で、ただ暗くて、空には星だけが瞬いてるわけでしょ。それはもう心細いんだけど、祖先から伝わっている星の並びで自分がどこへ向かっているかは確かめられる。そんな状態を想像して、ゾクッとするわけ。
▲冬のスターライン:すばるの柄杓 おうし座のプレアデス星団(すばる)をすくい上げようとしてる柄杓の形。
西洋式の星座は空の狭い範囲に注目するので、別の星座との位置関係を忘れがちなんですが、ハワイ式の星座で覚えると、今まで覚えられなかった位置関係を覚えられそうな気がします。
◎イミロア天文学センター:ハワイアンスターライン
http://imiloahawaii.org/229/starlines
スターラインについてはこのページが詳しいです。ハワイの天文台ですが日本語のページがあります。
◎葛飾区郷土の天文の博物館:ハワイ、海と星と
http://www.museum.city.katsushika.lg.jp/planetarium/program/season/20070801/index.php
葛飾区のプラネタリウム番組ハワイ、海と星と」の解説はここ。「レイ・ホークー、ヘ・ピリアロハ」という副題は「星の首飾り、愛しあう二人」とか訳せばいいんですかね。いや、ピリアロハは恋人だけでなく、良い関係を意味するようだから「星のつながり、家族」とかなのかな。ホークーは星です。ホークーレアで喜びの星という意味になるんだって番組でもやってた。
わたしはこの番組が好きすぎてこの夏だけで3回くらい見てしまいましたことよ(暇そう?否定はしない、笑)。9月の上映は29日(火)と30日(水)の16時からの2回で終わっちゃうんですが、わりといろんなタイミングでアンコール上映があるので興味がある人は公式サイトの上映スケジュールを見張っててください。同じハワイでも夏と冬で少し内容が違うみたいよ? 冬バージョンは1回しか見たことないので、今年もやらないかなあと思ってます。
星の画像はステラナビゲータというwindows用のソフトで作りました。
定番の天文シミュレーションソフト美しい星空、天文現象を正確に再現ステラナビゲータ10 |
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