親指の爪くらいの、茶色くて小さな蛾で、翅の一部が透けています。
結論からいうとクワノメイガなんですけど、もともと種名当てのお題にしようと思ってたので、調べ方を書いておきますね。
こういう蛾を見ると、わたしは「ああ、ノメイガ亜科ね」と思います。蛾は止まった状態のシルエットで、だいたい「○○科」とあたりがつくんです。このへんは写真を沢山見て慣れるしかないので、興味がある方はあちこち見て眼力を鍛えてください。
たまに「名前だけじゃなく科や亜科までわかっちゃうんですね!」というトンチンカンな感心をされることがあるのですが、逆ですから。科や亜科がおおまかにでも見分けられないと名前を調べられません。
ここで「亜科」について軽く説明します。亜科というのは科よりも小さなグループです。地名に例えて言うなら、ナントカ県に対してナントカ市みたいな感じ。科の中に亜科が沢山ある状態を想像してください。
そこで問題なのがノメイガ亜科の微妙な立ち位置です。昔の図鑑には「メイガ科ノメイガ亜科」で出てました。ところがいつの頃からか分類が変わって、ノメイガ亜科がツトガ科に編入されたみたい。
あー、そこ、今ページ閉じようとしたでしょう。気持ちはわかるけど、せっかくだからもうちょっと付きあってくださいよ(笑)
とにかく、ぱっと見てノメイガ亜科だとわかるけれど、図鑑によってはメイガ科になってる場合と、ツトガ科になってる場合があるので、両方のページをめくってみる必要があるってことです。
そこまでわかったら、インターネット上には便利なサイトがあります。
◎みんなで作る日本産蛾類図鑑
http://www.jpmoth.org/index.html
↑ここへ行き、下のほうへスクロールすると、科名の一覧があります。「ツトガ科」を探してクリック、「亜科一覧」というリンクをクリック、「ノメイガ亜科」を探してクリック。最後に「成虫縮小画像一覧」をクリック。
これでノメイガ亜科の蛾の写真がいっぱいいっぱい表示されるので、似たものを探します。
ところが、ノメイガ亜科は、そもそも数が多いし、登録されてる写真も大量で、なおかつ似たような虫多すぎで、見馴れてないと難しいですねー。ここらへんでわたしは種名当てのネタにするのをあきらめました(笑)
クワノメイガは幼虫がクワの葉を食べます。近くにクワノ木があるのでそこで生まれ育ったものでしょう。
クワを食べて育つよく似た虫にチビスカシノメイガというのがあるそうです。こっちはまだ見た事ないんですが、見分け方のポイントは、後翅の黒い線と薄茶の帯の面積だそうです。
後翅の黒い線が細く、薄茶色の帯が狭いのがクワノメイガ。反対に、黒い線が太く、薄茶色の帯が拾いのがチビスカシノメイガ。
チビスカシノメイガの写真は持ってないので、日本産蛾類図鑑のサイトで見てください。
◎日本産蛾類図鑑:チビスカシノメイガ
http://www.jpmoth.org/Crambidae/Pyraustinae/Glyphodes_duplicalis.html
◎日本産蛾類図鑑:クワノメイガ
http://www.jpmoth.org/Crambidae/Pyraustinae/Glyphodes_pyloalis.html
◎珍獣様の博物誌・虫ばっかり:クワノメイガ(幼虫からの飼育記録あり) http://www.chinjuh.mydns.jp/hakubutu/musi/zz000282.htm
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