▲油揚げ。メーカーにより呼び名が違うかもしれないけれど、だいたいこの二種類がスーパーマーケットで売られている。左は厚みがありフワッとしてる(便宜上「ふっくら揚げ」と呼ぶことにする)。右は薄くて中が充実している(ここでは「昔揚げ」と呼ぶ)。
▲左:ふっくら揚げ|右:昔揚げ。わたしは味噌汁の具にしたり、炒め物に入れたりする場合、右の昔揚げが好き。
▲切ってみた。左:ふっくら揚げ|右:昔揚げ。ふっくら揚げはきつね色のふわふわ部分が多く、昔揚げは白い豆腐部分が多い。
▲左:ふっくら揚げ|右:昔揚げ。中が開いて袋状になるのはふっくら揚げ。お稲荷さんや、おでんに入れる巾着にするならふっくら揚げでなくてはいけない。昔揚げは、不可能ではないかもしれないけど袋状に開くのは難しい。
この違いはなんなのか前から気になっている。メーカーのサイトを見ると、ふっくら揚げは機械揚げで、昔揚げは昔からの浮かし揚げなる製法で作っていると説明されてることがある。例>アサヒコ揚物Q&A
しかし、稲荷ずしは昔からある食べ物だろうし、稲荷ずしに適しているのは機械揚げであると言われても、稲荷だけに狐につままれたような気分だ。
おそらく、もとの豆腐の質か揚げ方のどっちかに秘密があるはずだが、こうすれば中空になる、というようなはっきりした説明が、どうも見当たらない。
ちなみに「油揚げ」は、わたしが子供の頃には「あぶらげ」と発音していたように思う(at群馬県)。
【稲荷ずしの形と、裏返す派の存在】
油揚げといえば稲荷ずし。関東の油揚げは長方形で、真ん中で半分に切って使うので稲荷ずしは俵型になる。
油揚げは、裏返さないのが一般的だが、裏返す派もいる。裏返した稲荷ずしは、テレビ局関係者が「裏番組を食う」という縁起担ぎで喜ぶと聞く。しかし、縁起担ぎが始まりとも思いにくいので、単純に見た目や食感の変化を求めて裏返したというのが最初だろうか。
関東式の四角い稲荷ずしは、袋の口が狭いので酢飯を詰めにくい。エレガントに酢飯を詰める方法を考えて、たとえば袋の口をめくってから詰めるとか、あらかじめ裏返しておいて、俵型に握った酢飯を当ててえいやっと表に返す、などの技を思い付くわけだが、正直何をどうやっても思ったほど手際よく詰められない。 しかし、そんな創意工夫を繰り返すうちに、油揚げを裏返して使う発想になるのは自然の成り行きだろうと思う。裏返し稲荷の始まりとして、詰め方を工夫した結果説をここに提案したい。
…と、どうでもいいことをもっともらしく書いてみるテスト。
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