あまり知られていないことだけど、日本で広く食べられている葉もの野菜は、その多くがアブラナ科だったりする。キャベツもアブラナ科、ダイコンもアブラナ科、カブも、コマツナも、ハクサイもアブラナ科。ホウレンソウは違うんだけどね。
アブラナ科の中でもカブの多様性がものすごい。実は、コマツナもハクサイもチンゲンサイも、みんなカブと同一の種だったりする。カブという植物の変化したものが、コマツナであり、ハクサイであり、チンゲンサイであり…その他もろもろだ。まあ興味があったら野菜の学名を片っ端から調べてみるといいよ。 Brassica rapa var.ナントカカントカ…って書いてあったら、それ全部カブの変種だから。
まあ、それはともかく、ハクサイ(白菜)とサントウサイ(山東菜、サントウナともいう)ですよ。この野菜は分類学的に言うとどちらもカブの変種なんだけど、その中でも特によく似てて、知らなかったら山東菜を見て白菜だって言いそうだし、その逆も言っちゃいそうなくらい似てる。
こうして並べてみると、白菜のほうは葉先がすぼまってて、外側の色の濃い葉が内側のやわらかい葉を包み込むように丸くなってる。山東菜は先がすぼまらず、すべての葉がピタッと同じ長さに揃って束になってるから、真ん中のやわらかいところも見えてる感じ。そんでもって山東菜のほうがでっかい。
そして何より違うのは値段だ。この店では白菜が2個で280円で、山東菜は2個で1350円、ざっと5倍ってところである!!!
なんでそんなに高いのか、食べたら強烈にうまいのか、って思うんだけど、こんな高いの買えないので食べた事はございません、はい。
きっと食べたら美味しいには違いないけれど、この値段は味より希少性じゃないのかなと思う。埼玉県南部でちょこっと作られている程度で、あまり流通してないらしい。葛飾区内でよく見かけるのは、埼玉県と隣接してるからなんだろうね。
ちなみに、山東菜の若いのをべか菜と言うって話も聞くんだけど、もしそうならベか菜をもっと育てると山東菜になるってことなの? それとも山東菜の玉にならない品種をべか菜と呼んでたりする?
何がどう違うのかって? いや、だから、科というグループの中に種というグループがいくつもあって、種の中に変種というグループが沢山あって、変種の中にも栽培品種ってやつが……
あら、その話はもういい? はいはい。
なお、買ってきた白菜はキムチになる予定。
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んちゃ。
あれ、これってジュウジバナ科じゃありませんでしたっけ?
ということで調べたら、「ジュウジバナ科アブラナ類の核遺伝学的研究」なんていう論文の題名が出てきました。類ってなに? 分類は科属種の順だし、準じるものだと亜を付けるのが通常、ですか? ←良く解ってない。
まあ、食えりゃいいんだ、でもいいか(笑)。
荒川の下流にレンギョがやたら多いのと山東菜は関連があったりして??
追加。
検索結果をもう少し見たら、ジュウジバナ科は現在ではアブラナ科と言われるのが通常になったようですね。
ずいぶん前に食用植物の分類と名称について1科に付き3品種まで、50挙げよという課題が出ました。この時もイネ科タケ属なのかタケ科なのかはっきりしないといったことがありました。アブラナ科もそれと同じだったかと思います。生物の分類や名称も少しづつ変わっているようです。
ついでにもう少し別のものを調べていたら、えーっ、サンショウってミカン科なの? 知らなかった。だからアゲハが寄ってくるのか。知らないことはいくらでもある。
ジュウジバナ科っていう呼び名は今は聞かないですねー。40年くらい前の図鑑でもアブラナ科はアブラナ科だったと思います。名前だけが変わったのか、分類体系そのものが変わったのか気になりますね。
分類体系そのものが変わっちゃうこともけっこうあります。最近だとAPG体系っていうのが主流になってて、以前はユリ科だったニラやニンニクがヒガンバナ科という、ひとつ前のクロンキスト体系にはなかった科に入れられてます。
分類体系そのものが一種類じゃないってことを知ってれば、世の中に古い体系と新しい体系が混在しててもあまりまごつかないんですが、わかってないと「なんでこっちの人はこうだって言ってるのに、あっちの人は別のこと言うんだろ?」ってなっちゃうんですよねえ。わたしこれ、子供の頃にすごく悩みました。本によって全然違うこと書いてあったりするんだもん。