味は酸味の少ないカルピスソーダみたい。ならカルピスソーダを飲んだらいいんじゃあるまいか。わざわざコーラを白くしなくたって。
▲成分表。原材料は果糖ブドウ糖液糖、香料、酸味料、保存料(安息香酸Na)、カフェイン
まあ、変わった色のコーラはこれまでにも沢山出ていた。ペプシなんぞ毎年のようにおかしなのを出してた。キューカンバーとかバオバブとか。今さら白いのが出たところで珍しくもなんともないんだけど、ふと立ち止まって考えてみる。
「コーラって、一体なんなの?」
というわけで、まずスタンダードなコーラの成分を調べてみる。
コカコーラ コカコーラ500ml缶×24本入 原材料名: 糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン メーカー公式サイト |
サントリー ペプシコーラ(500mL×24本入) HLS_DU ペプシ(PEPSI) ペプシコ… 糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、香料、酸味料、カラメル色素、カフェイン メーカー公式サイト |
a. 炭酸飲料である(原材料に反映してないが) b. 糖類いっぱいで甘い c. 謎の香料が入っている d. これまた謎の酸味料 e. カラメル色素(これが醤油色のもと) f. カフェイン特徴を書き出すとこんな感じ。成分表は多い順に書く決まりがあるので、コカコーラ社のほうがカラメル色素がいっぱい入っていることがわかる。しかし、違いはその程度だ。ここまでで感じるコーラの印象は「醤油色で、甘い、炭酸飲料で、カフェイン入り」といったところ。
カフェインは重要かもしれない。最初のホワイトコーラを「酸味の少ないカルピスソーダ」と表現したけれど、カルピスソーダにはカフェインは入っていない。
カルピスソーダ 1.5L×8本【楽天24】【あす楽対応】【ケース販売】[カルピスソーダ 炭酸飲… 原材料 糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、脱脂粉乳、乳酸菌飲料、香料、酸味料、安定剤(大豆多糖類)、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム、スクラロース) メーカー公式サイト |
カフェインか、乳酸菌か、それがコーラとカルピスソーダの分かれ道なのだ。
ここらでコーラの歴史を調べてみる。コーラという飲料を最初に作り出したのはペンバートンという薬学博士だそうだ。>コカコーラ社:ジョン・ペンバートンってどんな人?
コカコーラ社のページにははっきり書かれていないが、この博士が作ろうとしたのは鬱病の治療や、薬物中毒の症状をコントロールするのに使う薬だったらしい。>ウィキペディア:ジョン・ペンバートン
成分は、南米の植物コカの葉と、アフリカで嗜好品として愛用されているコーラの実で、これらを煮詰めて作ったエキスを水で割って飲むものらしい。どちらも実物を目にするチャンスがないのでよくわからないが、長く煮詰めれば茶色い液体になるんじゃなかろうか。醤油色のルーツはこのへんにありそう。
コーラというと色は黒っぽい醤油色という印象がつよいが、薬効のある植物を煮詰めた色がもとならば、製造過程で仕方なくついてしまうものだと言える。つまり、色なんかどうでもいいのかもしれない。
原材料のコカの葉には軽い興奮作用があり、疲れや不安を忘れさせる効果がある。南米では原住民が高山病対策にコカの葉を噛だり、お茶にして飲んだりするという(南米帰りのおともだちにコカ茶を飲んだ話を聞いたが、お茶として飲んだくらいじゃなんの効果も感じないそうだ)。
一方、コーラの実にはカフェインが含まれており、これまた興奮作用がある。アフリカにはイスラム教徒が多い。イスラム教では酒もタバコも禁じられているが、コーヒー等でカフェインを取ることは許されている。コーラの実も宗教的な禁忌に触れない嗜好品として愛用されているらしい。
コカとコーラのエキスだから、コカ・コーラ。最初は薬品として売られていたが、ある時まちがって炭酸水で割ってみたら意外にも美味しかったというのが、清涼飲料水としてのコカ・コーラのはじまりである。
コーラと呼ばれる飲み物に必ずカフェインが入っているのは、最初に使われていたコーラの実の有効成分がカフェインだから、ということらしい。ちなみに、現在ではコカの葉の成分は含まれていないし、コカの実も使われていないそうだ。
そういえば、日本の変わりダネコーラに、こんなのがある。
しずおかコーラ
原材料:果糖ぶどう糖液糖、緑茶(国産)、香料、酸味料、ベニバナ黄色素、クチナシ青色素
静岡名物のお茶で作ったコーラなのだが、なんでお茶サイダーではなく、コーラなんだろうと、ずっと不思議だった。成分にカフェインの文字はないが、緑茶にはカフェインが含まれているので、「カフェイン入りの甘い炭酸飲料」という定義からは外れていないようだ。
ペルーにはインカコーラという、黄色いコーラがある。
■送料込み■<24缶セット>アメリカ インカコーラ 355ml×24本 原材料:果糖、カフェイン、酸味料、香料、着色料(黄4)、保存料(安息香酸Na) |
ペプシが毎年のように変なコーラを出し続けていたのは最初に書いたが、日本で変わった色のコーラといえば、コカ・コーラ社のタブクリアが元祖ではないだろうか。
◎ウィキペディア:タブクリア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%96%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A2
1993年に売り出された透明なコーラである。現在は販売されていないものなので原材料などはよくわからない。甘味料としてアスパルテームが使用されていた。当時はまだペットボトルがなく、自販機には缶が入っていた。当時何度か買ってみたけれど、中身が見えないので透明かどうかなんて正直どうでもよかった。コップについだら面白いかっていうと、それはもうサイダーにしか見えないので、なんのためにわざわざ透明にしてしまったのかさっぱりわからない。変な甘さの炭酸飲料で、あまり美味しいとは感じなかった。あっという間に見かけなくなったのも印象的。よっぽど評判が悪かったんだと思う。今ならペットボトルが主流なので、もうちょっとマシだったかもしれないが… いや、やっぱりサイダーにしか見えないので無理か。
そんなこんなで、どうやら「コーラ」という飲み物は、カフェインの入った甘い炭酸飲料、というのが定義らしいことがなんとなくわかった。
ひとつ賢くなれたよ。ありがとう、ペプシホワイトコーラ。味はイマイチだったけどね(笑)
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