足立区に郷土博物館というのがあるんですが、そこに(戦後くらい?)食卓を再現した常設展示があります。いつも気になるのが「文化フライ」ってやつ。見た目は完全にハムカツですが、「小麦粉をこねて伸ばしたものにパン粉の衣をつけて揚げたもの」であって、本当に衣だけの揚げ物だそうです。足立区を中心に知られている食べ物です。葛飾区の郷土と天文の博物館にも文化フライの展示があるのを先日確認しました。
調べてみると、これは自宅で作るものじゃないらしいです。もともと浦安あたりで食べられていたものを、ある人が改良してお祭り等の屋台で売り始めたものだそうです。屋台でない飲食店で出すケースもあるようなんですが、考案者の店から揚げる前のものを購入して、店で揚げて出してるらしいですよ。
そこらへんの事情はこちらのサイトが詳しいです>はすぴー倶楽部・文化フライ
そんなこんなで、実は正しいレシピもわからないし、そもそもわたしは文化フライを食べたことがないんですけど(えっ)、こうじゃないのかと想像しつつ作ってみました。あ、何とかパットとかいうところにレシピがありそうとかは、わたしに教えてくださる必要はまったくありません(考案者直伝のレシピなら見たいけどね)。
文化フライってやつは甘いんだそうです。オリジナルはシュガーカットで甘みをつけてるとかって話ですが、今回は砂糖を入れました。粉は薄力粉を使用。
小麦粉に砂糖を加え、水は小麦粉の体積に対して1/3弱(わりと適当)。砂糖の量も適当。食べたことないのでどのくらい甘くしていいかよくわかんないので。最初は箸でまぜて、まとまってきたら手で捏ねて、手にくっついて来る状態だと柔らかすぎるので、粉を少量まぶして捏ねて固さを調節。適当なサイズにちぎって、めん棒で小判形に伸ばします。
これに溶き卵をまぶし、パン粉をつけて油で揚げます。こんなの揚げちゃって、煎餅みたいに固くなったりしないんでしょうか?
揚げてみたら、生地にふくまれる空気が膨張してぷーっと膨らみました。あれ、これもしかしてプーリーじゃないか。インド料理のプーリーだ。プーリーには衣ついてないけど、小麦粉と水で作った生地を平たくのばして油で揚げて作るインドのパン。なるほど、そういうことか。衣だけのフライとか話だけ聞いてると「何そのB級感…」と思うけれど、プーリーと同じようなものならマズイわけないし、少しもB級じゃないわ。
あれ、でも文化フライが膨らんでるとか中空だとかいう話は聞いた事ないな。膨らましちゃっていいのかな。なんせオリジナルを食べたことがないので完全に手探りです。
竹串は揚げてから刺しました。屋台では刺して売るということなので。これにソースをかけて食べるそうです。
▲切ってみた。生地の厚さや火加減にもよるのですが、わたしが作ると中空になる(笑)
これを食べてみると、さくさくして美味しいです。ウスターソースをかけたらご飯のお供にもイケる。っていうか衣がついてるだけでほとんどプーリーですからねー。
冷めると少し固くなりますが、砂糖を入れてあるせいかガチガチにはなりませんでした。冷めたのは揚げたてより甘さが立ちます。ああ、これ、ふくらし粉が入ってないだけで、ドーナツですね。なんだ、お菓子として普通にイケるわ。想像してたのよりフツーだった。
というわけで、オリジナルと同じかどうかは定かじゃないですが、文化フライのようなものでした。
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