久々の種名当てです。今年の1月に桑(クワ)の木の枯れた葉っぱにくっついてるのをみつけました。わたしは強烈に親切なのではっきり書くと、桑の木でみつけたという情報はひっかけです(ヒントにならないということw)。
さて、この物体はなんでしょう。○○という虫の××という感じで答えてください。角度の違う写真をいくつか貼ってから、その下に答えと答えの探し方を書きます。
というわけで、まずは答えの探し方から。この緑色の物体は昆虫ですが、足もなければ翅もありません。枯れ葉にくっついてて、歩きまわるようにも見えません。これが何なのかわからないと話がややこしくなるんですが、蛹(さなぎ)だってわかりますよね???
「そんなのわかってらぁ、馬鹿にすんな!」って思うでしょ。思いますよねー。でも、冷静に考えると不思議じゃないですか。昆虫の蛹は、それこそ虫の数だけ種類があって、色も形もそれぞれ違うんです。にもかかわらず、ぱっと見て「蛹だ」とわかるのはなぜだろう。そこには想像するより多くの経験に裏打ちされた知識があるかもしれないですよ。外で沢山遊ぶとか、図鑑のようなものを沢山見るとか、テレビを見るとか、人とのさりげない会話とか…
まあそれはともかく、蛹ですよ蛹。ではなんという虫の蛹なのか。知ってる人なら一発ですけど、知らないとしたらどうやって調べますか? 図鑑を見てもいいですが、図鑑というのは成虫の写真が載ってることが多いので、蛹から種名を調べるのは案外難しいものです。
いつもどおりネットで検索してみましょう。まずは見たまま素直に「緑色の蛹」で画像検索してください。
google の画像検索
https://www.google.co.jp/imghp
もちろんYahoo!の画像検索を使ってもかまいません。結果は大差ないと思います。緑の蛹になる昆虫は沢山いますから、きっと何種類もの虫の蛹がヒットします。
その中で、この記事の写真と同じ種類のものを探します。ここはばっちり観察眼を働かせてください。色のほかにどんな特徴があるでしょう。「角みたいなものが1本ある」「葉脈みたいな黄色っぽい線がある」こんなところでしょうか。
検索結果からそういう特徴のある写真をみつけて、そのサイトの内容を読んでください。それで「どうも○○っぽいな」と思ったら、今度は「○○の蛹」で検索すれば確認できると思いますよ。
というわけで、答えは「アオスジアゲハの蛹」でした。
アオスジアゲハの幼虫は、クスノキ、タブノキ、シロダモ、ニッケイなど、クスノキ科の木の葉を食べます。クスノキの葉を見た事がある人はピンと来るでしょうが、アオスジアゲハの蛹の模様は、クスノキの葉を裏から見た時の模様にそっくりです。こういうのを擬態(ぎたい)と言います。蛹は無防備ですから、なるべく目立たない色や形をしているわけです。
なお、写真の蛹は最初に書いたとおり、クワの木にくっついてました。アオスジアゲハは桑を食べません。まわりにクスノキのたぐいはなさそうに見えるので、幼虫のうちにどこか離れた場所から歩いて来たんだと思います。蛹になる直前に、どこまでも歩いて行っちゃう個体がたまにいます。
桑の木にいるのは偶然ですけど、ためしに「緑色の蛹 桑の木」で検索してみたら、おっとどっこい、正解が1件ヒットするんですね。何事かと思ったら、コメント欄で蚕が桑の葉を食べる話をしてる人がいました。これまた偶然の産物というやつです。
写真の蛹は壁にはりつけておいたところ、昨夜遅く、羽化していました。電気を消して布団の中でノートパソコンをいじっていたら、足元で何かがバタバタ言うので驚きました。慌てて電気をつけたら、立派に羽化したアオスジアゲハが布団の上でもがいてました。あやうく潰すところでした。寝る前に気づいてよかった。
羽化したてなのでまだ飛べません。この時期だけ手乗り蝶々を楽しめます。
翌日もまだ飛ぶ様子がなかったのですが、手にのせてしばらくすると、翅をふるわせて飛ぶ準備をはじめました。このまま家の中におくと床に落ちた時に踏むかもしれないし、箱に入れてしまうと飛び始めた時に翅が傷むので、つかまえた場所のしげみに置いてきました。
生き物を放す時は、必ず捕まえた場所で放しましょう。それが旅先とかで遠くだったら、放さないで死ぬまで観察するといいです。かわいそうだと思うなら最初から捕まえないことです。
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こんにちは~。
1枚目では首を捻っちゃいましたが、2枚目で「ああ、そうか」になりました。樟が好きなのですね。
この頃鳥が種を撒き散らしているようで、あちこちに樟が生えてきています。かなり前にmixiの日記にも書いたことがありますが、そういう小さい木にも卵を産んで、うちでも羽化の様子を見られました。
ちゃんと羽化できたのは良いとして、幼虫が多過ぎて木がほとんど空坊主になってしまったこともあったりします。あれは結局ほぼ全滅してしまったんだろうなあ。すぐ裏の寺の境内に大きな木が2本あるので、そっちに移してやれば良かったんだろうけど、そこまではやっていられないし。
冬越しの蛹は見たことがありません。