みやこのたつみあかよろし #くずし字

IMG_4250s そういえば花札の「あのよろし(ホントはあかよろし)」って何だろうと、突然思い出して調べてみた。

IMG_4250s  花札の役で赤短ってあるじゃない? 赤い短冊に文字書いてある札で、花札でこれを集めると得点になります。

 赤短は、松・梅・桜の札に一枚ずつあって、桜の短冊には みよしの(決してみなしのではない)と書いてある。これは奈良にある桜の名所だからわかります。

 じゃあ、松と梅の短冊に書いてある あかよろし(決してあのよろしではない)は何??

 というわけで調べたんですが、ざっと調べると次の三つくらいの説があるみたい。

1. 「まったくよろしい」の意味ではないか
2. 松・梅・桜の札についているので、歌舞伎「菅原伝授手習鑑」の登場人物・松王丸、梅王丸、桜丸に由来しているのではないか(「あかよろし」の説明にはなってない)
3. 「しかぞすむ」と書いてあるんじゃないか

っていうのがみつかった。

 1の「まったくよろしい」は、梅と桜に対してならわかるけど、松なんだよねえ。松だってよろしいだろうけど、どうもピンとこない。

 2は、松・梅・桜の札が「役」になるのはなぜか、という説明。これは納得できるけど、それなら短冊に何が書いてあったっていいはず。「あかよろし」と書く理由はこれじゃわからない。劇中で、登場人物が赤い舌をペロッと出すシーンがあるそうなので、そういうのが関係してる可能性はあるけど。

 3の「しかぞすむ」は、都のたつみ鹿ぞすむ、よをうぢやまとひとはいふなりっていう、百人一首のアレですよね。それが「あかよろし」に? いくらなんでもありえないでしょ、と思って並べて書いてみた。

IMG_4249s

 …えっ、確かに似てるかも。いや、似てるよこれ、もっとぐちゃっと書いたら読み間違えそう。

 印刷というものは、ようするに版画なので、木版でも銅版でも、沢山刷ったら版がすり減ってしまう。そうなってもまだ売れそうなら新しい版を作らなきゃいけない。今と違ってコピーなどないから、同じものを作ろうとしたら、手で書き写していたはず。そのたびに変形して、次第にもとの意味がわからなくなり、ついに見た目がそっくりの別のフレーズになってしまったんじゃないか、と…

 そんな馬鹿なと言いたいところだけど、そういうことは近代にもある。たとえば小学館のマークで、テーブルの下にある潜水艦のハッチみたいなやつが、実は真ん中に足のあるテーブルの土台だって、テレビで紹介されて有名になりましたよね。それを考えたら「しかぞすむ」が「あかよろし」になるくらい不思議でもなんでもないのかも。

 いや、でも、ちょっと待て。あかよろしは松と梅でしょ。「鹿ぞすむ」なら紅葉の青短に書いてなきゃおかしい。

 結局、よくわからないのでした。でも、しかぞすむ説はちょっと面白い。

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珍獣ららむ〜 の紹介

特技はおりがみとお蚕の飼育と世の中の役にたたないこと全般です。養蚕が普通の仕事だったらニートでヒキコモリの体質から脱出できそうな悪寒がします。DQ10はほぼ引退しました…だってストーリーが完全にソロゲーなんだもの。/ちなみにわたしが珍獣を名乗っているのは1999年からで、イモトよりも古いです。ワンピースは知らん。イモトですねって聞かれるとあっちがマネだと答えたくなる。 twitter などでは chinjuh です。

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