神栖市の「しまだい」というのは、このスケッチのようなもので、お膳の上にお米(炊く前の白米)で山を作って、そこに大根で作った鶴、カボチャで作った亀と、松や竹や梅の枝をあしらったものらしい。鶴と亀は、他の野菜で作ることもあるかもしれない。こういうのを「孫わたし」というおめでたい行事などで作るんだって。
神栖市歴史民俗資料館には、この「しまだい」の模型と、「孫わたし」を再現した人形が展示されていた。そんなインパクトのあるもの展示してあったら、誰かが写真とって何か書いてるんじゃないか(館内撮影禁止とは書かれていないし、仮に書かれていたって誰も読んでないのが最近の流儀っぽいので…)と思って、帰宅後に検索してみたけど「しまだい」じゃ魚ばっかり入れ食い状態だし、「しまだい 神栖」とかでも全然なし。あまりにもネット情報がないのでテキトーなスケッチをアップしておこうって気になったわけ。
どうも「しまだい」は島台とか嶋台などの字をあてるもので、台の上に島っぽい山を置いて、松竹梅で飾り、高砂人形という、熊手を持った老人と、ほうきを持った老婆の人形を飾る縁起物のことらしい。蓬莱山をかたどったものと言われており、婚礼の席などに飾るものなんだって。それを神栖市では米や野菜で作って「孫わたし」なる行事のさいに飾るということみたい。ふむふむ。ちなみに史料館にあったものには人形はついてなかったと思う。
高砂人形っていうのはこんなやつ。 高砂人形 寿宝 三五【結納 結納品 結納セット 結納飾】 |
その「しまだい」を飾るという「孫わたし」だけど、これまた史料館には大した説明はなくて、赤ん坊の額に、女の子なら赤で、男の子なら黒で小さくばってんを書くのだと書いてあった。なんの行事なのかイマイチよくわかんないんだけど、地元ではフツーすぎて誰も意味を聞かないような名詞なのだろうか?
そこでまたGoogleさんに聞いてみたところ、お嫁さんが実家で出産して、嫁ぎ先に孫を引き渡す時に行う儀式を「孫わたし」と言って、わりと全国各地でやるらしい、がーん、全然知らなかったよ……群馬でも実家で出産する人はいると思うけど、孫わたしとか聞いたことないや。
「孫わたし」「しまだい」を検索しているうちに「おぼやき」なる単語も発見。最初に見た記事ではどこの話かは伏せてあったけれど、お参りした神社の名前からして茨城県内の話っぽい。赤ん坊が生まれて二十一日目に行うお祝いなんだって。またもや謎の単語が増えちゃったじゃないですか。なんですか「おぼやき」って、どんな字書くんですか。
というわけでどんどん検索。どうも「おぼやき」=産屋あけみたい。産屋(うぶや)というのは出産のために用意された部屋のことで、赤ん坊が生まれてもある一定期間そこで寝起きするものらしい。初めて産屋から出る日の儀式を「産屋あけ」と言って、これまた全国あっちこっちにそういう行事があるみたい。産屋はわかるけど、産屋あけの行事とか知らなかったわ…
「産屋あけ」を福島県の会津若松では「おぼだき」といって「おぼ抱き」という字を当てたりするそうだ。新潟県の三条市あたりでは「おびやき」で、嫁ぎ先の家族をお嫁さんの実家に招いて祝うというから、つまり孫わたしのことなんだろうね。
と、適当に書き散らかして、あっさり終わります。ああ、今日もいい検索したなあ。
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