かたわらに置いてあるハサミは大きさがわかるように置いてあるだけです。
さて、三度目の脱皮も済んで、四齢蚕になりました。最初はちっぽけな卵でしたが、今はこのザル四枚分になりました。お蚕にまんべんなく桑をたべさせるために、成長にしたがって拡げてやらなきゃいけません。この先驚異的に大きくなる予定です。
お蚕の餌は、桑(くわ)という植物です。桑は、クワ科クワ属の樹木の総称で、実は何種類もあるそうですが、見分け方は知りません。日本で養蚕に使われている桑は、ヤマグワ(山桑)かロソウ(櫓桑、ログワとも)かな、と思うのですが、他にもあるかもしれません。
うちで育てているのは園芸店で買ったもので、ただ「桑」と言われてたので種類はわかりませんが、桑畑の桑(たぶんヤマグワ?)より葉が固い気がするので、別の種類かもしれません。とりあえずお蚕は喜んで食べています。
とにかく、様々な種があり、品種があり、さらに野生の状態だとそれらが交雑してる可能性があります。
自分で育てている桑の木足りない時は、公園や土手などで野生化してる桑の木から葉をとってきます。そのために普段から、桑がある場所を何ヶ所もみつくろっておきます。重要なのは「野生化してる」というところですね。桑は鳥が種をはこぶのか、あっちこっちに勝手に生えています。草刈りの時に根こそぎ切られたりしてますから、蚕のためにとってきても大丈夫なはずです。
うちのまわりの、様々な桑の木からとってきた葉ですが、こんなに葉の形が違います。これが全部桑だと言われても、見慣れない人は「なんで?」「どこで見分けてるの?」ってなもんかもしれませんが、見慣れていると「え、だって桑は桑だもん!」という感じ。
見分け方は言葉で説明されてもきっとわからないし、できれば自分で育てた桑を与えたほうがいいはずです。だって、公園の桑は害虫よけの薬をまかれているかもしれないし、道端の桑は排気ガスをかぶってます。安全なのは自分で育てたものです。養蚕を楽しみたいなら園芸店で桑の木を買ってきて自分で育てましょう。餌を確保できないとお蚕は育ちません。
お蚕は、桑の葉しか食べませんが、例外もあるようです。
以前「桑(クワ属樹木の総称)でなくとも、クワ科の植物なら食べるんじゃないだろうか」と考えて、イチジク(クワ科イチジク属)の葉をとってきて与えてみました。その時たまたまうちにいた品種は、イチジクの葉を喜んで食べたので「なんだ、クワ科ならなんでもいけるんだ!」と思ったこともありました。
ところが、別の品種を飼っていた年に、イチジクの葉をとってきて与えてみたら、まったく食べる気配がありません。どうも、別のものを食べる品種と、そうでない品種があるみたいですね…
もし、キャベツかなにかで育てられたら、クワの葉がない季節にもお蚕を飼うことができます。それで昔から研究はされていて、ごく稀にキク科のナントカいう野草を食べるお蚕がいると聞いたことがあります。
でも、そういうのは珍しいことなので、普通は「桑しか食べない」と覚えてください。
なお「クヌギやクリの葉を食べる蚕を見た事がある!」と反論したくなった人は「野蚕と家蚕の違い」で検索して勉強してきてください。話が長くなったのでここでは省略します。簡単にいうと別の虫なんです(笑)
オマケ:おもしろい桑の葉
この二枚の葉は、こんなふうに向かい合わせに(といっても、桑は互生といって、互い違いに葉が付くので、完全に向き合ってたわけでもないんですが)同じ枝についていました。一枚の葉に一カ所の裂け目があって、それが枝を中心に左右対称になっていました。この木の葉は全部こういう形で、左右対称についてました。
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