昨日からずっとこんな状態です。ほとんどのお蚕は頭に古い殻をくっつけたまま、じーっと眠っています。脱皮がらがいくつかあるので、早めに脱いだお蚕もいるようです。
餌やりは、大半が脱皮を済ませてからにします。早めのお蚕に先に餌をやってしまうと、その分はやく成長して繭になる時期がズレてしまうのです。ただ、絶食させるのも限度はあるはずなので、昔から悩みどころだったみたいですよ。
脱皮前にお蚕が眠ることを、眠(みん、ねむり)とも言うし、休み、という地方もあるそうです。お蚕も休んでいますが、その間、世話をする人たちもお休みだからだと思います。四度目の眠(あるいは休み)は丸一日から二日くらい続いて、その間は餌をやらないし、糞を片づけることもしません。眠をさまたげるとうまく脱皮できずに死んでしまうことがあるからです。
そして、脱皮が終わると一斉に食べ始めます。五齢蚕はとにかく食べます。桑つみ、桑くれ(餌やり)、糞の片づけ、蚕尻取り(糞と食べかすの掃除)を頻繁にやらないと、大きく育たないし、病気になるかもしれません。何千頭、何万頭も一度に育てる農家だったら目が回るような忙しさです。
つまり四度目の眠は嵐の前の静けさというわけです。世話する人たちも、ここでお休みして英気を養うのです。特別なお休みなので草餅などを作って四眠のお祝いをする地方もあるそうですよ。
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