▲左下の文字。「登録商標 胴搗蕎麦粉 本舗 池田製粉株式会社」
http://www.ikeda-seifun.co.jp/html/syohin.html
どうやら粉屋さんで配ってるチラシみたいなもので、蕎麦屋さんには直接関係ないみたい。
文字が潰れていて、最初は苦戦しましたが、途中まで読んで検索したら『拾遺都名所図会』の一部だということがわかりました。早稲田大学図書館の古典籍総合データベースにもっと奇麗なのがあったので、読めないところを補完。
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ru04/ru04_05325/
↑ここの、画像をクリックして、「5」のHTML版をクリック、「54」をクリック。>これ
水車搗き場之図 井堤里(いてのさと)玉川の流(なかれ)をいく 水車(みつくるま)をめくらし昼夜(ちうや) 碓(からうす)を踏(ふま)せて米(こめ)を精白(しらけ) にし舂(うす)をまわせて菜(な) 種(たね)を挽わりあるは もろもろ/\の粉(こ)を震(ふる) はせけり其(その)車(くるま)乃|工(たく)み 他に異(こと)なり是(これ)皆(みな)水 の勢(いきお)ひにして 山海経(さんかいきやう)にいふ 水伯神(すいはくしん)の ちから なるへし
『拾遺都名所図会』は江戸時代に作られた京都の地誌(名所案内みたいなやつ)で、玉川も東京の多摩川ではなく、京都のだそうです。あたしゃてっきり蕎麦屋が江戸時代から続いていることをアピールしてるものだと思って解読を始めたので少しガッカリしました。そもそも左下に製粉業者の名前が入ってることに気付いてなかったのはマヌケすぎましたね。
池田製粉は明治33年創業の古い会社ですが会社概要を見るかぎり京都とは関係なさそうです。「千川上水の水利を利用して水車式精米業を創業」とあり、千川上水は「玉川上水」を水源としています。しかし前述のとおり、『拾遺都名所図会』に出てくる玉川は京都の川です(笑)
オリジナルには「水車搗き場之図」というタイトルが入っていないので、何か別の本から引用されたものかもしれないですね。
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