とある道端の植え込みに毎年ウマノスズクサが生えてきます。そこにジャコウアゲハの幼虫が住んでいるのですが、ウマノスズクサは雑草扱いなので定期的に刈られてしまうのでした。
刈られてしまうものなら少し採集してもいいだろうと思い(そもそも栽培されているわけではないので)、根っこを掘ってきて育て始めました。根っこは、ほんの10cmばかりあれば充分で、水をしみ込ませた脱脂綿の上に置いておくと芽が出ます。芽が出てから鉢に植えてやったら、あとは勝手に育ちました。
1年後、いい具合に繁ったので、ジャコウアゲハの幼虫も採ってきました。
100円ローソンで洗濯ネットを2枚買ってきて、鉢をすっぽり覆うサイズに縫い合わせました。中を見やすいようにファスナーの位置も変えてあります。
今回、あまり真剣に写真をとったりしなかったのですが、頻繁にネットを開けて様子は見ていました。幼虫たちはネットの中を歩き回り、元気に葉っぱを食い散らかしていました。食い散らかしているとしかいいようのない状態でした。枯れてもいない葉っぱが葉柄の付け根から食いちぎられて土の上に散乱していたし、時には茎ごと食いちぎられて枯れた部分もありました。
ただ、この鉢には緑色の小さな芋虫(ヤガ科の何かっぽい)も勝手に住んでいるので、犯人はそいつかもしれません。
ジャコウアゲハの蛹は縄でぐるぐる巻きにされた人のように見えます。江戸時代に、ジャコウアゲハが大量発生したことがあるらしく、それを見た当時の人たちは、番町皿屋敷のお菊の怨念が化けたのだと考えました。番町皿屋敷はお芝居でお馴染みの演目だったんでしょうね。
16日の朝、蛹が黒くなっていました。蛹の皮が透けて、中の黒い翅(はね)が見えるようになったのです。それで羽化が近いことはわかりましたが、うっかり撮影しそびれて、その日の夜には蝶になっていました。
壁などにつかまらせようとしましたが、そういうところでは上へ上へと歩き回ってしまい、手の届かないところへ行ってしまいます。指にとまらせるとぶら下がってじっとしています。このままだと自分が寝られないので、鉢にかぶせたネットの中に戻しました。
▲9月17日朝 すっかり翅がひろがって、いつでも飛んで行けそう。翅が白っぽいのでメスでしょうね。オスは翅がもっと黒いはずです。
今回は標本などにはせず「幼虫をとった場所で」放すつもりですが、今日は台風の影響で雨がやまず、少し風もあったので放蝶は中止しました。餌は1日くらいなら与えなくても大丈夫でしょう。雨風が続いて放しにいけないようなら薄い砂糖水でもやってみようかと思います。
動画も作りました。iMovieのテンプレートに放り込んだだけですが。
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