松戸市でバスの無人運転に試乗できると聞いて、昨日ひとっぱしり行ってきました。松戸市役所と松戸駅のあたりを20分くらいかけて走りました。
▲こっちが後ろです。前後ともに複数のカメラやセンサーがついています。
完全に無人で走る事もできるようにプログラムはするんだそうですが、オペレーターが乗って細い操作を手動でもすると言ってました。
オペレーターは一番後ろの席でモニターを見て操作します。操作はXBOXのコントローラーを使うと言ってました。わたしはいちおう驚いてみせましたが、聞いてる人たちは無反応でした。
そもそも何人がXBOXを知っていただろう。ゲーム機のコントローラーとか言えば……客逃げるか? それとも当たり前すぎて誰も反応しないのだろうか?
まあそれはともかく出発です。こんな面白い試乗体験、人気あるんじゃないかと思ってたんですが、わたしが乗った回には5人しか集まりませんでした(ど平日の真っ昼間ですからねえ)。まあ、それでほとんど満員です。今回の車両はバスとは言え小さくて、オペレーターと解説者の席を除くと、座席が6つしかありませんでした。
わたしはオペレーターの操作が見える席に座りたかったんですけど、わたしより前に2人いて、その人たちが座ってしまいました。
軽く説明をうけてから出発です。乗ってる間は別に撮影禁止じゃないんですが、外を映せばただの風景だし、バスの中は狭くて人しか写らないのでここからは写真ないです。
乗った感じは、わりとフツーですね。人の運転と違ってブレーキがかかるとガクンと止まっちゃうのが特徴です。
なので、オペレーターが信号の変化などを予測して、手前で減速するなどの調整をするということでした。いかに自然に機械の補助をするかが腕の見せ所的なやつらしいですよ。
オペレーターは速度の調整を主にやってて、ウインカーを出す等の基本操作は機械が自動でしてるとも言ってました。
時速は最高で20kmしか出ないようにしてあるそうです。でも都市部のバスはもともとゆっくり走ってるせいか、あまり遅いとは思わなかったですね。となりに乗ってた人なんか「意外にスピードが出るんですね」とか言ってたくらい。
今回の実験では、センターラインを越えるような動きを無人でさせる許可をとっていないので、路駐の車があると止まってしまうそうです。そういう時も手動に切り替えて、ペケ箱コントローラーで回避するそうです。実際何度かやってました。
今回のコースは細く曲がりくねった道が多く、どこだか大学の専門家が見に来て「ここを自動運転できるなら、もうどこでも大丈夫ですよ」というくらい難易度の高いコースだとか。それを特に違和感なく、きれいに曲り、人などが飛び出せばちゃんと止まり、特に危なっかしい事はなかったです。
車線の多い広い道も通ってました。そういう場所だと大きな車が交差点を曲がる時に、どのくらいはみ出して曲がるか、などいろいろ計算して、自動運転が止まっちゃわないようにプログラムしてあるということでした。
そんなこんなで、けっこう楽しい試乗体験でした。道行く人たちが気付いて変な顔して見てるのも面白かったです。なんせハンドル握ってる人がいないですからね。
ただ、使い物になるのかという観点で見るといろいろ疑問点はあります。
路線バスで今一番大変なのは人材不足だそうなんですが、今の状態だとオペレーターが必要だし、特殊な資格もいるみたいなので、人材不足解消にはなるどころか、面倒が増えてる気もします。
それと、人の運転と大きく違う点は、やはりブレーキのかかり方らしくて、今の状態で完全に自動運転にしてしまうと、不意の飛び出しなどで本当に突然ガコンと止まってしまう。そうなると、後続車が驚いて急ブレーキを踏むことになるし、まわりの人間が自動運転車に慣れる必要がある、とも言ってました。
それはまあ、機械のほうを進化させるより、人を慣れさせるほうが早いんですが、そういう方法で「実用化した」というのは、わたしは間違ってると思うんですよね。機械のほうが人のようにきめ細やかに動くんじゃないなら、人が運転したほうが話が早い(どうせオペレーターがいないと危ないんだし)。
まあ、でも、AIの進化は日進月歩なので、数年後にはオペレーターも必要なくなるかもしれないです。そのためにも実験は必要だろうし、オペレーターつきで実際の運用もしていく必要はあると思う。
それと、街路樹が道路にかぶさるように茂っていると、障害物と誤認して止まっちゃう事があるそうで、今回の実験ではいくらか枝打ちしてもらったという事でした。
街路樹なので、多少の枝打ちで済む事ならばいずれする事なので問題ないんですが、「街路樹についても今後は考えていくべき」みたいな言い方をしてたのがひっかかりました。
人が心豊かに暮らすための緑の街作りを機械のために変えろというのは、わたしとしては完全に間違った思想だと思っています。
ええと、わたしは自動運転に対して批判的な立場ではなくて、むしろ将来的に必要だろうと思ってます。が、それは人の今の暮らしを助けるためにすることであって、今の暮らしを壊してまでねじ込むものではないでしょう?
人の運転手が問題なくできてることは、機械も出来るように進化しなきゃいけないです。出来ないことのいいわけを、もともとそこにある街路樹のせいにすんな。ですね。
でもまあ、これも機械が進化すると、私は思ってます。そのためにも今は実験にしろ、実験的な実用化にしろ、大いにやるべきだと思います。
▲写りが悪くてわかりにくいんですが、車内にあったモニターです。
道やまわりの建物などをこういう形で機械に覚えさせてある、という説明でいいのかなあ(よくわかってないもので)。
なお、この試乗体験は11月1日までなので、今日で終わっちゃうんですよ。もっと早ければ行きたい人も多かったでしょうに、気付くのが遅くてすみません。
◎自動運転車両の乗車体験をしよう!|松戸市
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/douro/oshirase/JIDOUUNTEN241001.html